2015年8月1日土曜日

高月観音巡り① ~西野薬師堂~

毎年、8月の第1日曜日に高月観音まつりが開かれていることを知ったのは、割合と最近のことでした。湖北にはそれぞれの集落に、集落の人々に守られた小さなお堂とその中に安置された仏像があります。高月には25のお堂があるのだそうです。そのほとんどすべてが無住のため、集落の人々が輪番制で担当しながら守っているのだそうです。ですから拝観させていただくためには事前連絡が必要になります。

高月観音まつりの日は、高月駅の東側を巡るツアーに申し込んでいたので、前日には西側のお堂を回ろうと考えていました。ところが、 場所に寄っては、この高月観音まつりのときしか開帳しないお堂もありとのことで、考えていたお堂の約半分は2日のみと断られてしまいました。残念ですが仕方がありません。

周り方ですが、もちろん公共の交通機関と自らの足のみです。幸いにも高月には高月観音号というオンデマンドバスが走っています。もちろん1時間から2時間に一本という本数ですが、駅から4キロ近くも離れているところへ、この暑さの中歩いていく気力はありません。まずは高月観音号に乗って西野へ向かいます。

道路の途中に標識が

西野にある西野薬師堂、歩いて普門寺、磯野寺、赤分寺と回る予定です。西野薬師堂は以前にも訪れたことがあったのですが、今回、時間の調整も兼ねてもう一度訪れることにしました。
西野のバス停の目の前に西野薬師堂はあります。到着するとすでにお堂は開いていて、係の女性が待っていてくれていました。こちらの都合でこの日の朝に連絡したのですが、快く開けてくれました。

薬師堂入り口
薬師堂のお堂
お堂に上がると、目の前のカーテンを開けてくれます。するとそこに十一面観音と薬師如来の姿が現れます。ニ躰ともどっしりとした風格を持ち、似たような面もちをしています。係の女性は、「説明ができなくてごめんなさいね。説明のテープを流しますね。」と数分間のテープを流してくれました。
今回初めて係を担当することになって、何もわからないので大変です、と笑いながら話してくれました。遠くからわざわざ見に来てくれる方もいるのだけれど、彼らの方がずっとよく知っているんですよね、と言います。でもきっとそんなものではないでしょうか。私も自分の地元のことよりこほくや奈良の知識の方がずっとあります。地元のことについて質問されても答えられないと思いますから。

十一面観音と薬師如来の両側には十二神将のうちの2躰だけが残されています。こちらの2躰はとてもユニークな顔をしていて、とても個性豊かな表情をしています。目がぎょろりと見開き相手を威嚇しているのですが、どこかユーモラスにも見えます。十二躰すべてが揃っていたらさぞかし壮観だっただろうなぁ、と思ってしまいます。戦火の中、村の人々に守られて今日に至っているこれらの仏像を見ていると、いろいろと考えさせられます。

20分ほど話をしていたでしょうか。そろそろ次のお堂に向かう時間になったので、丁寧にお礼を言って、西野薬師堂を後にしました。これから10分ほど炎天下の中を歩くことになります。西野薬師堂を出たところで次の訪問先である普門寺さんに電話を入れました。まずはポカリを飲み、普門寺に向かって歩き出します。



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