2015年8月11日火曜日

湖北観音巡りツアー③ ~尾山釈迦堂と渡岸寺~

昼食後、尾山釈迦堂にまずは向かいました。この釈迦堂には大きな大日如来と釈迦如来が座していました。今まで見てきた観音像は石道寺を抜かすと小振りなものばかりでしたので、この大きさにまずは驚いてしまいました。なかなかどっしりとしていて迫力があります。それにお顔もなかなかいい感じでした。とはいえ、ここでも集合時間など何もないので、なんとなくみんなが拝観し、なんとなくみんなで外に出て、なんとなく周りを見ながらそろそろバスに戻るころかしら、とバスに向かっていく感じになってしまいました。もう少ししっかりガイドをしてほしいと思うのはわがままなのでしょうか・・・。

さて、渡岸寺と言えば国宝の十一面観音菩薩です。湖北で一番有名でしょうし、十一面観音菩薩が好きな方であればまず間違いなく知っている場所でしょう。私も初めて湖北を訪れたとき、まず向かったのが渡岸寺でした。

渡岸寺の入り口
渡岸寺の参道を歩いて振り向いた所
渡岸寺のお堂
この日もたくさんの拝観者たちが訪れていました。ここの十一面観音菩薩は国宝だけあって、しっかりとした収蔵庫に安置され、冷房も利いていますしベンチや椅子も用意されています。人が入れ替わる度に係りの方が丁寧な説明もしてくれます。今回は唯一集合時間が明確にされた場所なので、それまでゆっくり十一面観音菩薩を見つめていることができました。

こちらの十一面観音様はとても堂々としています。今回の説明で初めて気づいたのですが、一般的には頭上に十の頭を持っているのですが、渡岸寺の十一面観音は顔の両側に顔を持っています。頭上の頭がなければ、興福寺の阿修羅のように三面にも見える作りになっているのです。確かにこれは珍しい、と一人で納得していました。

ここでは360度ぐるりと見て回ることができるのも仏像好きとしては嬉しいことです。そして、見る方向の違いによって、まったく雰囲気が異なることも今回気づかされました。正面から見るとしなやかで華奢な印象を受けますが、横から見ると意外にどっしりしている感じがするのです。

そして今回、この観音様に抱きつきたくなる衝動にかられてしまいました。自分でも笑ってしまったのですが、不思議な感覚です。京都の広隆寺の弥勒菩薩に抱きついた学生がいて、そのとき仏像の指が折れてしまい大騒動になったという事件が昔あったと聞いたことがあるのですが、その学生の気持ちがなんとなくわかる気がしてしまいました。周りになにもなかったら、抱きついてしまっていたかもしれません。もちろん傷めないように細心の注意は払いますが。まあ、そんなことは奇跡でも起こらない限りあり得ないので、想像だけに留めておきます。

十一面観音の隣には大日如来坐像もあるのですが、残念ながらほとんどの人たちはちらりと見るだけです。大日如来もどっしりとしていてなかなか貫禄があるのですが、やはり国宝の十一面観音にはかなわないようです。その隣には騎獣と呼ばれる象と獅子もいます。獅子は残念ながら頭部を破損していますが、象はあのたれ目がうっすらと確認できてなかなか可愛らしいのです。時間までゆっくりと収蔵庫で過ごさせてもらいました。


渡岸寺のあとは、岩屋善光堂と青岸寺という米原に近いところにあるお堂とお寺を見て回ったのですが、あまり印象に残らなかったというか、高月周辺のお堂がとても印象に残っているので、この二つの場所についての文章は割愛することにします。申し訳ないのですが・・・。

米原で解散になったのですが、米原からは一気に奈良まで移動します。

0 件のコメント:

コメントを投稿