2015年8月22日土曜日

魅惑のカンボジア料理 〜プノンペンとシェムリアップ〜

カンボジアに来たからといってカンボジア料理ばかりを食べるのは、数年前からやめているのですが、やはり美味しいものは美味しいです。カンボジア料理は基本的に味の素を大量に使うらしいので、それはさすがに頂けないのですが、料理としてはなかなか美味しいものが揃っていますし、味の素を除けばなかなかヘルシーとも言えるのではないでしょうか。

私の一番のお気に入りはカンボジアの朝食の定番、バーイ・サイッ・チュルークです。白いご飯の上に豚肉の炭火焼がのっていて、付け合わせにキュウリ、トマト、そしてカンボジアの酢漬けが出てきます。これがシンプルに美味しいのです。美味しい食堂は白いご飯がまた美味しい。日本のジャポニカ米とは違いますが、また違った甘みがあって、このような美味しい白いご飯えお出す店に出会うとものすごく幸せな気分になります。このバーイ・サイッ・チュルークが美味しい場所はいろいろあるとは思いますが、プノンペンでは国立博物館からリバーサイドに向かって歩いて行くと右側にあるブライト・ロータスという食堂、シェムリアップではマスター・スキ・スープというレストランがお気に入りです。それからもう一つ。もっと庶民的な食堂のLy Lyレストランがマスター・スキ・スープの近くにあるのですが、ここのバーイ・サイッ・チュルークもとっても美味です。


ブライト・ロータスのバーイ・サイッ・チュルーク
マスター・スキ・スープのバーイ・サイッ・チュルーク
Ly Ly レストランのバーイ・サイッ・チュルーク

ブライト・ロータスはバーイ・サイッ・チュルーク以外にも、美味しいカンボジア料理が揃っているので、夕食にもよく利用しています。値段も手頃で、欧米人やカンボジア人の利用者も多いようです。ここは基本的に白いご飯が美味しいので、チャーハンとかではなく白いご飯と何かしらのおかず、というセットを注文します。

最近気に入っているのが、カンボジア版卵焼きとでもいうのでしょうか。名前はトゥレイ・プロォマー・チィエン・ポン・ティアというそうです。豚の挽肉が入っている薄い卵焼きとキャベツ・キュウリ・人参・ナスなどの生野菜が付け合わせについてきます。このオムレツはそのままで食べるとしょっぱ過ぎるのですが、生野菜とご飯と一緒に食べると、その塩加減がとってもいい感じなるのです。そういえばウェイターのお兄さんに、アンチョビは大丈夫かと聞かれましたが、名前のトゥレイというのは魚という意味なので、豚肉だけでなく魚も入っているようです。ちなみにポン・ティアというのはアヒルの卵という意味です。カンボジアでは鶏だけではなくアヒルの卵もよく料理に使われるのです。旅行中はどうしても野菜不足になりがちなのですが、このセットだと生野菜もたっぷり取れます。ただ、ナスはさすがにえぐみがきつくて遠慮してしまいました。オムレツにはカンボジア料理では欠かせないプラホックという日本の魚醤に似たものを入れているようです。タイだとナンプラー、ベトナムだとヌクマムと言われているものと同じようなものだそうです。


ブライト・ロータスのトゥレイ・プロォマー・チエン・ポン・ティア
もう一つ今回食べたのが、タマリンドソース付きの魚の炒め物です。魚は淡水魚だと思いますが、白身魚を一度揚げてから野菜と炒めています。そして付け合わせにタマリンドソースが付きます。タマリンドの存在を知ったのもカンボジアに来てからですし、タマリンドの味を知ったのももちろんカンボジアに来てからです。カンボジア料理ではスープの味付けにも利用するそうですが、酸味を出す調味料になるようです。こにタマリンドのソースも酸味のあるソースで、揚げ物をさっぱりさせてくれます。これも白いご飯と一緒に食べるととっても美味。


ブライト・ロータスのタマリンドソース付夕食

そして、機織りの時の昼食で頂いたのが、まさにカンボジアの庶民の味です。カンボジア人以外いません。私一人ではまず入れないでしょう。
怖いとかではなくて、英語はまず通じないでしょうし、注文の仕方もよくわからなかったからです。幹線道路の脇にある食堂なので、遊びに行く途中の家族グループやトラックの運転手などがよく食べにきているようでした。

このような庶民派の食堂は実はたくさんあります。このような食堂にはメニューはありません。この食堂のおばちゃんがその朝に作ったスープやおかずが台の上に並べられ、客はそれらの鍋を覗きながら欲しいものを注文するのです。白いご飯は何も言わなくても付いてきます。そして注文したおかずが皿に盛られてテーブルに運ばれてきます。自分が食べたいと思うものがない時はどうするのかしら、とも思いますが、意外と大丈夫のようです。三日間通いましたが、だいたいスープが2、3種類と炒め物系2種類ほどあるようでした。

ドライバーでもあり友人でもあるNくんが鍋の蓋を開けるたびに中を覗き込みますが、すぐに何かわかるものもあれば、何が入っているのかよくわからないものもあります。それでも食べてみるとみんな美味しいのですからうまくできています。


一日目の昼食
二日目の昼食
三日目の昼食

意外に気に入ったのが豚肉の挽肉であろうものをプラホックで味付けした炒め物です。これをキュウリやキャベツなどの生野菜と一緒に白いご飯と食べるのですが、これがまたとっても美味しい。ただ、二日目に食べたときにとても美味しく、三日目もあったので注文すると、三日目は二日目のものに比べて少し辛かったのが少し残念でした。辛いものがまったく食べられないので、少しでも辛いと美味しさが半減してしまうのです。「辛くないと美味しくないよ」と辛い物好きの人は言いますが、私は美味しいも何も辛いものを口いれると口の中が痛くなってしまうのでダメなのです。辛いのではなくて痛いのですから、美味しいもへったくれもありません。

スープは基本的に外れたことがありません。もちろん辛くない、ということが大前提ですが。今回も魚入りのスープ、鳥肉入りのスープ、タケノコ入りのスープなど、すべて美味しくいただきました。さすがに庶民の食堂なのでご飯が美味しいというわけにはいきませんが、1人2.5ドル、300円程度ですから十分です。

昔は飲み物は缶ジュースをよく注文していました。水を食堂で注文する、というのは日本人の感覚からするとお金の無駄遣いのように感じて知ったからでした。ところが、やはりジュースだと甘いですしさっぱりしたいときには合いません。ということで、最近は普通に水を注文するようにもなりました。水がただで出てくるなんて日本くらいということですね。疲れていて甘いものが飲みたい時に最近はまっているのが豆乳です。日本にももちろん豆乳はありますが、カンボジアの豆乳は甘いのです。で、これがまた意外と美味しい。特に疲れたときはとっても美味しいのです。日本にいるときは甘い豆乳にはまったく触手が動きませんが、なぜかカンボジアでは飲みたくなる味です。

シェムリアップ街中でよく行くレストランは、vivaというメキシコ料理の店と、ル・ボウランジェリーというパンが美味しい店です。vivaではもっぱらタコスを注文するのみです。というのも、カンボジアに来るとついつい食べ過ぎていまいお腹の調子が悪くなるのですが、一人分を注文すると欧米人サイズなのか量がとても多いのです。残すのも勿体ないし、と思って食べ過ぎてしまっていたのでした。ところがvivaではタコスを一つから注文できます。ですので、夕食時にはタコスを二枚で済ませてしまうことも多々あります。また、最近では昼食を遅めにして、夕食を抜くことも増えました。ときどき、夕食としてアンコールビールとおつまみだけ、ということもします。カンボジアにいるときは、とにかく食べ過ぎに要注意なのです。

ル・ボウランジェリーはパンが売りのようで、欧米人の客が多いようです。ここでの私のお気に入りは、カンボジア版サンドイッチ、ノンパン・パティです。市場や屋台でもよく売っているもので、フランスパンの中にいろいろな具材を挟んで食べます。屋台などでは一つ1ドルしない程度で売っているのですが、もちろんル・ボウランジェリーではお値段は高めの3ドルです。数年前までは2.5ドルだったのですが、値上げされてしまいました。もちろん外国人向けに作られているので、味は申し分ありませんし具沢山でもあります。フランスパンは外側がカリカリ、中がもっちりとしていてこれだけでも十分美味しいのですが、中に豚の挽肉と玉ねぎを炒めたものが挟まれてあり、付け合わせにキュウリやトマト、そして大好きなカンボジアの酢漬けが添えられてきます。不思議なのはさらにハムも付いてくることです。挽肉だけで十分な気がしないでもないのですが。ここのノンパン・パティは本当に美味しいので、シェムリアップに来ると、必ず一度は食べにきています。


ル・ボウランジェリーのクメール・サンドイッチ

カンボジアに来始めたころは、地元の食堂や屋台で食べるなどということはありえなかったのですが、外国人観光客が爆発的に増えたこともあり、多くの食堂や屋台が観光客向けの運営スタイルに変更してきました。メニューを作成し、写真と英語を併記し、水や氷にも気を使うようになったようです。もちろん、一歩街を出ればまだまだローカルな食堂ばかりですが、シェムリアップは変わりました。このことについてはまた別の記事にて。

まずは美味しいカンボジア料理の紹介でした。

知人の家で頂いた昼食


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