2016年1月2日土曜日

年始二日目 ~奈良市内 東大寺~

年始の二日目は奈良市内をメインに回ってきました。まずは早めの時間に東大寺へ向かいます。きちんと大仏殿へ入るのは実は久しぶりです。大仏が大きすぎて、逆にあまり何度も行きたいという思いになれないからです。ただ、今回はお正月ですし、ご朱印も頂きたかったので中に入ってきました。

大仏を見上げて思うのは、大きいなぁ、なんでこんなに大きくする必要があったのだろう、大きいなぁ、くらいです。残された四天王のうちの二躰もとてつもなく大きいのです。ポカ~ンと口を開けて見上げてしまいます。でも、それだけなのです。大きすぎて感動がない、と言ったら失礼ですが、そんな感じです。

ただ、興味があるのはやはり塔です。東大寺には当時、なんと百メートルにも及ぶ七重塔が二基あったそうです。百メートルです。現在残っている国内最大の五重塔も六十メートルはありません。それでも相当大きいのです。百メートルの七重塔がそびえたっていたら、本当に圧巻な眺めだったことでしょう。その当時の伽藍の様子が模型で作られていたのですが、七重塔は確かに存在感がありました。不可能なことですが、見てみたかったなあ、と思うのです。

大仏殿のあとは、二月堂、法華堂、四月堂と回ります。

東大寺大仏殿
七重塔の模型
言わずもがなの大仏様

2016年1月1日金曜日

2016年の元旦③ ~法隆寺 奈良~

元旦の午後は法隆寺へ向かいます。

到着したのは午後1時半頃でしたが、さすがに参拝客は多かったように思います。それでも、予想よりははるかに少なかったので驚きはしました。

法隆寺は拝観料が1500円となかなかいい値段がします。以前は1000円でしたからいっきに500円も値上がりしたのです。いくら自分の寺巡りの原点とはいえ、ちょくちょく来れるような場所ではなくなってしまいました。ただ、ご朱印は拝観料を払わなくても頂ける場所にあるので、今回も西伽藍の中へ入ろうかどうしようか悩みました。結局は入ることにしたのですが、ご朱印を頂き、法輪寺、法起寺を訪れた後に決めたのでした。


まもなく修復に着工するという話を聞いていますが・・・
ご朱印を頂ける聖霊院では、運良く他に誰もおらず、二つのご朱印を頂くことができました。いつもの方で、すでに何度も書いていただいているのですが、訪問者の多い法隆寺ですから、さすがに顔を覚えてもらうことは難しいようです。

法隆寺のあと、法輪寺、法起寺と回ってきました。斑鳩といえばこの三塔です。塔好きですから、法隆寺を訪問するときはほとんどの場合法輪寺と法起寺も訪れます。法輪寺と法起寺の三重塔はそれぞれの良さがあって好きです。

そして、再度法隆寺に戻り、西伽藍へ入ることにしたのでした。入って思うのは、法隆寺の五重塔は何度見ても安定した美しさがあるということ。形の上では、法隆寺の五重塔が一番好きかもしれません。安定感がありながらも重苦しさがなく、何度見ても飽きません。もう少し拝観料が安ければ、とつい思ってしまいます。1500円という拝観料は西伽藍以外に、宝物館と夢殿の拝観料も含まれているので、一カ所につき500円と考えれば普通なのですが、何度も訪れる私はとにかく西伽藍だけに入りたいのです。西伽藍だけの拝観料というものを設定してほしと思うのですが、お寺の方針もあるのでしょう。

法隆寺五重塔

金堂でご本尊にも挨拶をしてきました。相変わらず不思議な雰囲気を持つ仏像たちです。最初は苦手でしたが最近は意外と気に入っているのですから不思議なものです。

久しぶりに宝物殿にも行ってみました。お気に入りの九面観音や、ヒンドゥー教との繋がりを示してくれた六観音像とも対面してきました。もちろん百済観音にも。ガラス越しに見る仏像たちはやはりどこか寂しげというか、見せ物になっているようで何とも言えないのですが、美術品なのか信仰の対象なのかという問は永遠に答えが出ないような気もします。私は信仰の対象として、という考えですが。

初めて元旦を奈良で過ごしましたが、とても良い時を持たせてもらえました。やはり奈良が好き。室生寺と法隆寺は特別、という思いを新たにしました。そして、2016年もまた頑張ろうと思えるのでした。

法起寺三重塔

2016年の元旦② ~室生寺 奈良~

ホテルで朝食を取った後、室生寺へ向かいました。元旦ですから室生口大野からのバスの始発は8時20分なのですが、室生寺の開門時間が9時なので、一時間遅いバスで室生寺へ向かいます。

室生寺の門松

嬉しかったのは、思ったよりずっと静かたったこと。元旦ですからもっと人出が多いことを覚悟していたのですが、静かに回ることができました。奥の院でお会いした顔見知りの僧侶の話だと、やはり元旦はまず神社に向かうそうで、二日、三日辺りになると人が増えてくるのだとか。人がいないことと、顔見知りということで、随分と長話をさせてもらいました。

天気が良いこともあり、五重塔も青空に良く映えていました。石段を上りながら五重塔を見上げるわけですが、きれいだなあ、きれいだなあ、と心の中で何度も言ってしまいました。きれい、以外の言葉が見つからないのが情けなくなるほどです。語彙力が貧困だ、と苦笑してしまいました。

何と表現していいのか・・・

本堂の灌頂堂で、ご本尊の如意輪観音に挨拶をし、金堂では釈迦如来を中心とする多くの仏像にもご挨拶。そして弥勒堂の釈迦如来坐像です。自分の心持ちに寄って表情が変わって見えると思っているのですが、今回どのような表情を見せてくれるのか気になっていました。

勝手な見方ですが、いつもより優しい表情をしているように見えました。この2016年、いろいろあるだろうけれど頑張れそうだな、と思わせてくれる表情でした。一年の始めとしては良いスタートだと思います。

室生寺には三日以降に何度か訪れる予定にしているので、この日は午前中でお暇し、次は法隆寺へ向かいます。


2016年の元旦① ~東大寺 奈良~

今年のお正月は久しぶりに日本で過ごしました。ここ何年もずっとカンボジアで年越ししていたのですが、奈良にはまったこともありお正月を奈良で、と思っていたのです。

31日の大晦日に奈良市内に入りました。本当は除夜の鐘の音も聴きたいと思っていたのですが、カンボジアからの帰国が夜行便で起きていられる自信がありませんでした。また、無理してせっかくの奈良滞在中に体調を崩しても嫌なので、諦めたのでした。

その代わり、朝早くに起きて、バスの始発に乗って東大寺まで行ってきました。東大寺は大晦日から朝の8時まで大仏殿が無料開放され、さらには普段は閉まっている大仏の顔の正面にある扉が開くのです。これも8時までです。写真では見たことがありましたが、ぜひ実際に見てみたいと思っていたのです。

仁王門

この冬は暖冬ということで、早朝にもかかわらずそれほど寒いという感じはしませんでした。バス停から大仏殿までそれなりの人出でしたが、どちらかというと春日大社に向かっている人の方が圧倒的に多かったように見えました。初詣はまずは神社、ということでしょう。

私は神社が苦手なので、神社への初詣はまったく予定に入れていません。まっすぐ大仏殿へ向かいます。そして見えてきたのが、窓から覗く大仏の顔でした。普段は閉まっている中央の紋も開いており、参道をまっすぐ進んで大仏殿へ向かうことができます。

窓から見える大仏の顔はやはり下から見上げるときとずいぶん雰囲気が異なります。当時の一般市民は特別なときに、このように遠くから参拝していたのでしょうか。まだまだ暗いですから、それほど明るくないお堂の中も暗闇の中に浮かんて見えて、なかなか厳かな雰囲気に包まれていました。

大仏殿
大仏殿
せっかくなので大仏殿の入口までは行きましたが中には入りませんでした。このあと、急いでいったんホテルに戻り、朝食をとって、室生寺へ向かうからです。一番好きな室生寺と、私の寺巡りの原点である法隆寺へ、元旦に行きたいとずっと思っていたからです。

東大寺へは、また明日改めて訪れる予定にしています。




2015年12月28日月曜日

機織り 〜クロマーユーユー カンボジア〜


8時にNくんの運転する車に乗り込み工房へ向かいます。車で2、30分ほどのところにあるクロマーユーユーという機織り工房です。

到着してすぐにお世話になるTさんに会うことができました。夏は日本に帰っていてお会いできなかったので、会うのは一年ぶりです。

そして経糸や色を決めてさっそく機織り開始です。今回も何か困ったことがあると、隣で機織りをしている女の子に助けを求めます。ただ、この回数は、自分で言うのもなんですが、ずいぶん減った気がします。特に今回の経糸はあまり切れることがなく、切れても自分で治せることが多かったからです。ただ、ときどきどうしてよいかわからないことが起こるので、そんなのときは声をかけて助けてもらいます。彼女たちも自分の仕事があるので申し訳ないのですが、いつも笑顔で助けてくれるので助かります。

機織りが始まると、機織り以外のことは考えられなくなります。無心ではなく機織りのみ、という状況です。ただ緯糸を通せばいい、打ち込めばいいというだけではないことはすでに重々理解しているので、今回はそれをどうより良くさせていくがが課題でした。

布の耳にあたる部分は、緯糸の引っ張る力の具合で変わってきます。きれいな耳になるか不揃いの耳になるかが決まるのです。でもそれだけに気を取られていると、左右の打ち込む力が微妙に変わり、左右のバランスが悪くなってしまいます。同じように力を入れているはずなのに、なぜか左の方が強くなるようで、気をつけないと右側の打ち込みが甘くなってしまいます。する、ストライプの幅に差異が出てきてしまうわけです。もちろん、一色のときは色の濃淡が変わってきてしまいます。

それでも、以前に比べればずいぶんスムーズに織れるようになったとは思います。一日が終われば、背中、お尻、手などが痛くなってくるのですが、やはり好きなのだなあ、と思います。

今回は一枚のクロマーを織ろうと思っていたのですが、二日目の割と早い時間に一枚が織りあがってしまったので、二枚目にチャレンジすることにしました。もちろん、二日では終わりませんが、あと半日あれば大丈夫だろうと、アンコールワットを見に行った日の午後に再度訪問して織り上げました。

この織り上げて、布を布巻から外すときの高揚感がたまりません。頬がずっと緩みっぱなしなってしまいます。こんなに長いものを織り上げたのだという達成感がすごいのです。この体験をしてしまうと、また織りたくなってしまうのです。

今回もすてきなクロマーが織り上がりました。何度も何度も体験をさせて頂いている工房に本当に感謝です。Tさんや他の女の子たちにもお礼を言って、今回の機織りは終了しました。次は夏ですね。


工房の様子
二枚目開始!
完成!

2015年12月27日日曜日

麗しのアンコール・ワット

カンボジアに来て四日目。アンコールワットへ行ってきました。アンコールワットはもう数えきれないほど訪れていますが、今回も外すわけにはいきません。年末年始は一年の中でも一番観光客が訪れる時期です。どこへ行っても混んでいる状態ですから、一番人気のアンコールワットであれば言わずもがなです。ですから、人が多くいることは承知の上で訪れるのですが、その中でも人があまりいない時間帯を選ぶようにしています。

朝、七時にNくんの車に乗り込みアンコールワット向かいます。チケットブースで一日券を二十ドルで購入します。今回はアンコールワット以外の遺跡を訪れる予定はありません。行きたくない訳ではなくて、人が多すぎるので足が向かないのです。我儘な観光客だと一人苦笑しますが、静かな遺跡を知っているだけにダメです。

アンコールワットの写真を撮るのであれば、午後の時間帯がベストなのですが、そうなると参道は人々で埋め尽くされ、回廊もガイドの声があちこちに響き、静かにゆっくりからは程遠い状態になってしまいます。もちろん、朝早い時間帯も最近は人が多く訪れるようになってしまいました。それでも午後よりはまだいい、というレベルでしょうか。

アンコールワットの表参道にあたる西側からは入らず、あえて東側を選びます。やはり人が少ないのと、午前中であれば東側からの方が順光になって写真が撮りやすいからです。


アンコール・ワットの東側


東側にあるストゥーパ
それにしても、東側からの来訪者も増えました。今まではほとんど誰もいないときの方が多かったのですが、今回は少ないとは言え観光客の姿が見えないときはありませんでした。ただ、ときどき人の流れが止まるときがあるので、ふっと静かになる時があります。私は時間を気にせずいくらでも同じ場所にいることができるので、その静かな時間を待つこともできるわけです。これは一人旅の特権かもしれません。

当のアンコールワットですが、やはりすばらしいです。なぜこれほどまでに惚れてしまったのかわかりませんが、何度見ても飽きることがありません。均整のとれた五つの塔。塔好きだからなのかもしれませんが、アンコールワットは最高です。



スーリヤ(太陽神)

2015年12月25日金曜日

定例のシェムリアップへ


定例のカンボジア訪問です。今回はお正月に奈良へも行くので、カンボジア滞在はいつもよりは短めですが、それでも一週間はいるのですから文句は言えません。

今回の目的はもちろん機織です。年末年始のシェムリアップはものすごい混み方をするので、遺跡はアンコールワットくらいしか訪問する予定はありません。

ベトナム航空を利用したのですが、ホーチミンでまさかのディレイ。それも一時間以上。そしてさらには搭乗口が変更になりました。それだけならたまにあることなので仕方ないとは思うのですが、そのアナウンスがまったくないのです。最初に言われた搭乗口で待ち続けるも、搭乗予定時刻になってもゲートには係り委員が来ません。やっと制服姿のお姉さんが来た、と思ってホッとしながら見ていると、画面には別の便の表示がされてしまいました。周りも少しざわつき始めました。

仕方がないので、いったん搭乗口を離れてインフォメーションデスクへ向かいました。途中で見た出発ゲートを案愛する掲示板にも搭乗口の番号は表示されていません。インフォメーションに座っていたお姉さんに聞いてみると、憮然とした表情でチケットに何かを書き込みました。読み取れなかったので聞くと、ムッとした顔で「十から十二って書いてあるでしょう」と。以前にホーチミンの空港を利用したときに、職員の態度は悪いなあ、と思っていたのですが、今回も変化はないようです。社会主義の国だからなのでしょうか。

ただ、今回は言われた搭乗口に行ってもよくわからないので、客室乗務員と思われるお姉さんに再度声をかけてみると、彼女はとても丁寧に教えてくれました。まだ該当する機体がホーチミンに到着していないために、搭乗口が決まらないのだそうです。もう少し待ってみてください、と言われました。これくらいのトーンで話してくれるといいのですけれどね。別に日本のようなサービスを期待しているわけではないのですから。

聞いてから十分ほどで、画面に新しい登場ゲートが表示されました。まったく異なる搭乗口です。急いで移動しますが、他の乗客たちも同じ状況でバタバタしていました。それにしても搭乗口が変更になったこともアナウンスはなし。遅れることも、変更のこともアナウンスがないというのは驚きです。これが初の海外旅行の人や、個人旅行に慣れていない人は辛いだろうな、と思いました。利用者に優しくない空港です。

さて、シェムリアップです。さすがに暑いです。今年の日本は暖冬ですが、それでも気温はまったく異なります。シェムリアップに到着したときの気温は二十八度でした。

入国し荷物を受け取り外に出ると、なんとそこにはNくんの姿が。事前に、年末はどうしても忙しいのでNくんにお願いするのは難しいです、と言われていたのです。ところが、外に出ると見知ったNくんの姿が目に飛び込んできました。つい頬が緩みます。くるまにのりこみ、いっきにクメール語の世界に入ります。

Nくんの家族もNくんも元気そうで何よりです。それにしても、空港からホテルまでの道もずっと渋滞でした。本当に人が多いのだなあ、と実感してしまいます。

今回もお世話になるのはフランジパニ・ヴィラ。今回初めてネット予約をしてみました。それも奮発してプールビュー。これは大正解。もともと外の光が部屋に差し込まないと嫌な人なので、プールビューの部屋は最高です。それも最上階のプールビューだったので、ベランダに出れば遠くまで見渡せます。空が見える。これが本当に好きです。

さて、明日からはいよいよ機織りです。

プールビュー
フランジパニの外観
部屋からの眺め

朝焼け