2015年8月22日土曜日

ある一日 その② ~シェムリアップ〜

この日は知り合いのSくんから家に遊びに来て、という誘いを受けたので行ってきました。彼は以前何度か宿泊したホテルの従業員で、他の従業員と共にクメール語を交えていろいろな話をしていた人の一人です。2年前に結婚し、前回会ったときに結婚式の写真を見せてもらいました。そのときに奥さんが妊娠しているということも聞いていて、無事に生まれたらFacebookで教えてね、伝えてあったのです。そして6ヶ月前、無事に生まれたとの報告が、Facebookを通してありました。今回初めて奥さんにも会ってきました。

宿泊しているホテルまで迎えにきてくれたのですが、車で来ているのを見てびっくりしました。絶対にバイクだと思っていましたし、安全運転でお願いしなきゃな、とも思っていたのです。それが車ということでものすごくホッとしてしまいました。やはりバイクは事故が怖いのです。どうせヘルメットもありませんから。

カンボジアでは婿が花嫁の実家に入るのが一般的で、彼も今は奥さんの実家で暮らしているとのことでした。国道6号線をロリュオス遺跡がある東に向かって車を走らせます。途中のシェムリアップで一番大きい市場、プサー・ルーの前は相変わらずの大渋滞でしたが、車なので気持ちは楽でした。プサー・ルーを抜けさらに行った先で右に曲がるとすぐに彼の家に到着しました。

が、見てびっくりです。相当立派で大きな家なのです。こんなに立派なカンボジア人の家に来たことはありません。駐車場にはもう一台の車が停まっていますし、本当に驚いてしまいました。下世話な言い方になってしまいましたが、お金持ちなんだね、と言うと、義理の両親はね、でも僕は貧乏さ、と笑っていました。それにしても立派な家です。

車から降りると、奥さんが可愛らしい女の子を抱えて出てきてくれました。6ヶ月というわりには大きいかもしれません。奥さんの2人の兄弟の家族も一緒に住んでいるようで、彼からすると姪っ子にあたる2人の女の子も出てきました。一人は10ヶ月ということでしたが、彼の愛娘よりも小さかったです。もう一人は2歳ということですが、最初は恥ずかしがっておばあちゃんの後ろに隠れてばかりいました。彼の義理の両親にも挨拶をして、居間に通してもらいました。

知人のSくんと愛娘(6ヶ月)
2歳の姪っ子と奥さん
10ヶ月になる姪っ子

そしてなんと昼食までご馳走して頂きました。がんばってクメール語を話しましたが、やはり義理のお父さんのクメール語をなかなか聞き取ることができず、何度か彼に言い直してもらったり英語に直してもらったりしながら会話を成立させていました。初対面の私に食事までご馳走してくれるとは。カンボジアでは当たり前のことだと言われますが、やはりとても嬉しいものです。

カンボジア料理は大丈夫なのか?と聞かれましたが、もちろん大丈夫です。大丈夫というより好きですから。今回の昼食は、魚と蕗のようなものが入ったスープ、インゲンと豚肉の炒め物、干し魚、スイカ、そしてご飯でした。みんなとても美味しいものばかり。干し魚は塩気が強いのですが、ご飯と一緒に食べるととても美味しい。干してあるだけあって、旨味も出ている気がします。ところが、彼が干し魚はスイカと一緒に食べるんだよ、と教えてくれました。確かになぜご飯のおかずにスイカなのかよくわからなかったのですが、なんと干し魚とスイカはセットだったのです。しょっぱい干し魚とスイカがまたよく合います。スイカに塩を振るのと同じことなのです。この場合、スイカは野菜としての役割があるのかもしれません。

すべて美味しくいただきました

昼食時には警察官だという奥さんのお兄さんや、3人目の姪っ子も学校から帰ってきて一緒に食事をしました。彼もお兄さんも英語がしゃべれるので、どうしてもわからないときは英語に通訳してもらえるので助かります。学校に通っている姪っ子は11歳とのことで、英語も一年ほど勉強しているとのこと。でもやはり恥ずかしがって、質問に「イエス」と答えるだけでした。

奥さんもとても感じの良い方でしたし、本当に幸せそうで良かったです。途中で二人の赤ちゃんはすやすやと寝てしまいました。これからも元気にすくすくと育っていって欲しいものです。

帰りはなんとバイク・・・。車だと混雑に巻き込まれるから、というのが理由でした。そこそこの距離を走ってきています。ただ、嫌とも言えず、気をつけて運転してね、とお願いだけはしておきました。家族のみんなにお礼を伝えて、バイクの後ろにまたがります。

プサー・ルーの前は混んでいるから、と少し遠回りの道だけれど交通量の少ない道を選んでくれたのは良かったです。そしてこの道がなかなかいい感じでした。新しい道といういうことで本当に交通量が少なく、さらにはあたり一面がカンボジアの大地で遠くまで見渡せます。これこそカンボジア、と思わせるような田畑が広がり椰子の木があちこちに生えています。そして空は広く青く真っ白な雲が点在しているのです。この風景が大好きです。この広い大地を見渡していると、小さいことでくよくよすることがばからしくなってくるのです。もっと大きく考えようよ、世界はこんなに大きいんだから、と思わせてくれるからです。

ただ驚いたのは、そんな広大な土地の中で、新しい建物が、それも大きな建物が建設途中であるということです。アンコールワットの高さを超えてはいけない、という建築基準があるので高層のものはありませんが、広い敷地に広大な集合住宅のようなものを建設している場所もありましたし、シェムリアップの街近くでは、巨大なホテルリゾートのようなものが建設中でした。シェムリアップはもう私の知っている街ではない。そう改めて思わされました。

帰りは国立博物館で降ろしてもらいました。また12月に来ます、ということと感謝の気持ちを伝えて別れました。本当に嬉しく楽しい訪問でした。


国立博物館
バイク用のガソリンは道端で購入
午後の一休み

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