2015年8月22日土曜日

真夏のスコール 〜シェムリアップにて〜

シェムリアップに来てから、毎日午後から夕方にかけてスコールがあります。別の記事にも書きましたが、午後になると黒い雲がむくむくと成長していくのが見てとれるのです。それも気持ちのいい早さでです。

朝は快晴のときも多く、雲一つない状態かあってもぽつぽつ見えるくらいなのですが、午後になるとあちこちで積乱雲の卵たちが空に生まれてきます。それが時間が経つに連れてむくむくと大きくなっていき、最終的に土砂降りの雨を降らせるのです。

ある日の午後、カフェでまったり過ごしていました。外が見える場所を陣取っていたので、空が雲で覆われて行くのがわかりました。黒い雲の面積がどんどん増え、あの風も吹いてきました。雨が降るかなあ、と思って見ていると、案の定降り始めたのです。短時間ではありましたが大粒の雨が空か降ってきて、真夏らしい雨音が響き渡っていました。そのうちに雨も小降りになってきたのでホテルに戻ることにしました。

ところが、歩き始めてから数分後、何となく雨が強くなってきている気がします。ちょっとこれはまずいかな、と思って歩くスピードを早めたのですが、風がまた一段と強く吹いてくるではありませんか。周りの木々が揺れ、木の葉が風で吹き飛ばされて行きます。これはまずいかも、と思った矢先に土砂降りの雨が頭上に降り注いできました。雨だけではありません。風も強く折りたたみ傘では太刀打ちできるどころの話ではありません。ホテルまであと1ブロックほどでしたが、この嵐の中を歩いて行くのは危険だと思い、近くの別のホテルに逃げ込みました。

ロビーで休ませてもらったのですが、その時にはすでに外は強風と土砂降りの嵐です。こんな土砂降りの中を歩いたら、数メートルでびしょ濡れになってしまうでしょう。この強風と横殴りの雨ですから傘なんて役に立ちそうもありません。ロビーに置いてあった新聞を読ませてもらいながら時間を潰しました。

それにしてもすごいスコールです。見ていて気持ちがいいくらいの土砂降りです。そんな土砂降りの中を疾走するバイクや自転車があるのですから驚きです。だいたいほとんどの人たちは、自分のバイクにポンチョ型の簡易レインコートを持っていて、あ、雨が来る、と察知するとすぐにレインコートをかぶります。それでもこの土砂降りですから、顔や足元はびしょ濡れです。自転車に乗っている人は、レインコートを持ち歩いていない場合の方が多いですから、ずぶ濡れになりながら走っている姿をよく見かけます。気にしなければ気にしないでいいのかもしれませんが、貴重品などを身につけていると、さすがにそうも言っていられないのが少し残念なところです。

20分ほど雨宿りをさせてもらっていると、止みはしませんでしたが風が治まったのと雨足が若干弱まったようだったので、ホテルに戻ることにしました。さすがにこの雨だからなのか、走っている車やバイク、トゥクトゥクの姿をほとんど見かけません。そして道には大きな水たまりがあちこちにできています。排水事情の問題です。このような集中的な雨に対応できる排水システムが整っていないので、道路のあちこちで水が溢れてしまうのです。その大きな水たまり上を、たまにとはいえバイクや車がスピードを落とさずに走り去って行くので、ことらとしてはたまったものではありません。歩行者のことなど一切気にしないのがカンボジア。こちらが気をつけていないと、泥水を被ってしまうことにもなりかねません。大きな水たまりの近くを歩くときは、なるべく車がこない頃を見計らって歩くようにしました。

無事にホテルに到着です。スコールは嫌いではないのですが、歩いているときは、ちょっと大変です。

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