御嵩までは名古屋を経由していく方法と岐阜を経由していく方法があるのですが、今回はどうせ名古屋に戻ることになるので岐阜を経由していくことにしました。名鉄一宮から岐阜へ向かう電車はあまり人が乗っていません。逆に名古屋方面へ向かう電車のホームにはたくさんの人が待っていました。同じ県庁所在地なのに、名古屋と岐阜ではずいぶん人の流れが異なるようです。
名鉄線に揺られて犬山、新可児で乗り換え、またもやとってもローカルな広見線に乗って御嵩へ向かいます。この日は朝から青空が広がる良い天気で、御嵩駅周辺もどこか明るい雰囲気になっていました。
願興寺へ向かい、奥の家の方まで行ってみると、家の扉が開いています。これは住職の方が在宅、ということだろう、と少しホッとしてしまいました。入り口近くに行くと、年配の女性が植物に水をやっているところでした。この方が住職のようです。声をかけると、「本堂の前で待っていてください。今行きますね」とにこやかに言ってくださいました。
ご住職のご自宅へ続く鐘楼 |
願興寺本堂 |
そんな仏像たちを拝観する前に、住職の方がお経を唱えてくださいました。お経のことなどまったく分からない私ですが、とても耳に心地よいリズムで心が落ち着く感じがします。リズムの取り方が人によって、宗派によって異なると聞いたことがありますが、ここ願興寺の住職の方のお経のリズムはとても聞きやすく耳に優しい感じがしました。
仏像を拝観しながらいろいろな話も聞かせていただきました。これだけの重要文化財があるのですが、お寺としては財政的に非常に厳しいのだそうです。本堂は確かに痛みがとても激しく、あと5~10年も放置すれば、屋根から水が漏れてくるかもしれないと言われているそうです。ただ、本堂の修復にはなんと10億円もかかると言われているようですが、檀家が一桁のこのお寺にそんな力はあるはずもありません。国の補助金、県や町の補助金を受けたとしても、お寺として2000万円を集めなければいけないといいます。そのために、いろいろと工夫されているそうですが、簡単なことではないことは容易に想像がつきます。
ふるさと納税で寄付ができるという話を聞いたとき、これは利用してもいいかもしれないと思いました。ふるさと納税、という言葉は知っていましたが、その仕組みとかよくわかりませんでしたし、自分には関係のないことだと思っていました。ところが、このふるさと納税の仕組みを利用すると、実質2000円でこの願興寺の修復のための寄付が3万円分できるというのです。帰ったら早速調べてみようと思います。
あっという間に1時間が過ぎてしまいました。お忙しい中、時間を割いていただいて本当に感謝です。そして何より、あきらめないで戻ってきて良かったと、心から思える訪問でした。なんとか頑張って修復に取り組むことができればと願っています。