2015年8月16日日曜日

Plae Pakaa プラエ・パカア② 〜スバエク・トム編〜

二日目の夜にはスバエク・トムを見に行きました。昨年は舞踊とミュージカルの二演目で、スバエク・トムがあったかどうかも記憶にありません。

プラエ・パカアのデザイン

スバエクは「革」、トムは「大きい」という意味です。スバエク・トムは日本語では影絵と訳されているように、革から作られた大きな切り絵のようなものを利用して、白い大きなスクリーン上に影を、映しての上演になります。

このような伝統芸能が存在することは以前から知っていましたし、カンボジアで有名な演目であることも知っていました。影絵を作成する工房も訪れたことがあり、スバエク・トーチ「小さな影絵」をそこで見せてもらったともありました。ただ、あまり興味がわかず、今まで見に行こうと思ったことがなかったのです。ところが今回、プラエ・パカアのスバエク・トムということもあり、せっかくなので行ってみようと思ったのでした。


スバエク・トムの一場面 スクリーンの前にも出てくる
思っていたよりずっと面白かったですし、意外と感動している自分がいました。セリフはすべてクメール語。スクリーンの上部に英語の字幕がつきますが、それを見ていると影絵を見られなくなってしまうので、事前に配布された簡単な説明書に目を通し、ざっくりとしたストーリーだけは頭の中にいれておきました。内容はカンボジアで有名なラーマヤナという壮大な物語からの一部です。

一場面

最初は影絵だけでどれほど理解できるのか疑問でしたが、意外にわかるものでした。そして驚きだったのが、動くのは影絵だけではなかったということです。スクリーンの後ろで影絵を動かすだけだと思っていたのですが、スクリーンの前にでくることもありましたし、影絵を持ちながら演者が演技することもありました。また、影絵同士の戦いの場面では、まず影絵同士の戦いから始まり、次に演者同士の戦いにもなるのです。影絵だけだと思っていた私にとっては思いがけない驚きでしたし、非常に楽しめました。もちろん、そのときの演者たちの動きも非常にリズミカルでしなやかです。

セリフはほとんどわかりませんでしたが、会話の部分は若干聞き取れるところもあり、ひとりでにやけてしまっていました。また、コメディタッチの部分もあり、クメール語がわかればもっと楽しめるのだろうなあ、と思いました。

実際に人が演技することも
ストーリーこそ単純ですし、英語訳が少しわかりにくいところもありましたが、良くできているものだと感心してしまいます。そしてもちろん影絵そのものもとても素敵でした。動かない影絵をどのように見せるのかも気になっていましたが、相当たくさんの影絵が用意されているようです。そして、一つ一つがとても細かく作られていて、それを見るだけでも非常に興味深かったのです。そしてそれらの影絵が白い大きなスクリーンによく映えます。正直、これほど面白いとは思いませんでした。

今回のスバエク・トムには若い演者もいましたが、40代、50代と見られるおじさんたちも多く、若い人から年配者まで多くの人々によって支えられていう感じを受けたのも良かったです。そういえば、観客の中にカンボジア人が何人かいましたし、驚いたところでは僧侶も数名いました。あとで調べたところ、カンボジア人のチケット代金は5ドルとのことでした。外国人料金の3分の1ではありますが、やはり高い値段だと思いました。

迫力あり


圧巻
出演者の挨拶

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