2015年11月23日月曜日

早朝の東大寺

2日目は朝食をとってすぐに東大寺へ向かいました。入江泰吉美術館の開館が9時半でしたし、奈良公園の紅葉がどのような状況なのか見てみたい気持ちもありました。

広い敷地を持つお寺はあまり得意ではないのですが、東大寺は大きい割には好きなお寺の一つです。ただし、失礼ながら大仏殿には最近まったく行かなくなってしまいました。とにかく人が多すぎるのです。特にこの時期はただでさえ人出が多くなる時期ですから、表参道などあっという間に人で溢れてしまうでしょう。

そんなこともあり、最近よく利用するのが転害門です。東大寺の西側に位置するこの門は、以前にも書いたようにほとんど人がいません。ゴツゴツした木の節が力強さを見せつける様で、なかなか気に入っています。その転害門から入っていくと、大仏殿の裏手に出るのですが、ほとんど人影がなくひっそりとしています。

今回も転害門から入っていったのですが、犬の散歩をしている人が一人、朝のウォーキングをしている年配の女性が二人だけで、あとは全くといってよいほど人に会いませんでした。金堂跡には大きな礎石がずらりと並んでいますが、この時期は特にどこか寂しい雰囲気があります。紅葉はやはり今ひとつでしたが、寂れた感じの雰囲気が逆に心を落ち着かせてくれているようにも感じました。


大仏殿の裏手を抜けていくと、二月堂が見えてきます。やはりまだ、しんとしています。今回はそれほど寒くはなかったのですが、冬の早朝もまたピンと張りつめた寒さがまた良いものだろうなと思います。

二月堂から法華堂へ移動し、いつもの素晴らしい仏像群を拝観してきました。ここも私の好きな場所の一つです。まだまだ時間が早いせいか、訪れる人もほとんどいません。独り占めの状態でゆっくり拝観させてもらいました。

二月堂からの眺め

また、近くにある小さな四月堂にも寄りました。ご本尊は十一面観音立像なのですが、他に普賢菩薩像があります。普賢菩薩は一般的に白い象に乗っているのですが、この象が良いのです。ここの白象も目がたれ目でにへらぁ、と笑っているように見えるのですが、目が顔の前方にあるので、少し攻撃的にも見えます。草食動物の目は一般的に顔の左右についているのですが、この白象は肉食動物のように顔の前方についているのです。可愛いな、と思いながらも少し攻撃的な象でした。

このあと、入江泰吉美術館へ向かったのですが、すでに大仏殿の表参道は多くの人たちが大仏殿を目指して歩いていました。もちろん、鹿たちに鹿せんべいをあげることを忘れてはいません。たまには大仏殿に行くべきかなぁ、と思うこともあるのですが、やはりあの人の多さを見ると心が萎えてしまいます。

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