2015年11月22日日曜日

室生寺三昧と紅葉 その② 初日ライトアップ

明日香の稲淵で棚田を見てきた後、バスと電車を乗り継いで室生口大野まで戻ってきました。やはり連休の中日ということで、バスにも普段よりずっと多くの人たちが乗っています。

今回は17時20分発のバスに乗ったので、すでに周りは暗くなっています。室生寺まで続く一本道は電灯がほとんどないため、バスのヘッドライトだけが頼りです。普段、光が異常なほどあふれている都会から来ると、この暗闇がさらに濃く見えるのですから不思議なものです。

太鼓橋

室生寺のライトアップはすでに始まっていて、照明以外にも小さな灯籠がたくさん灯されていてとても幻想的な雰囲気に包まれていました。

仁王門前

鎧坂を上って金堂前に来ると、網代僧侶が地元の警備担当の方とお話をされていました。挨拶をすると、「あっ」という顔をして、先ほどはすみませんでした、と謝られてしまいました。先ほどの奥の院でのことなのでしょうが、あれだけの人がいるのですから会話などしていたら逆に失礼になってしまいます。全然問題ないです、と話していたら、警備の方が、案内してきていいですよ、と網代僧侶に言ってくれているではありませんか。すると網代僧侶も、あ、そうですか、と、なんと講堂まで案内してくれることに。なんという贅沢。

講堂や五重塔を見上げることのできる場所で、随分長いこと話や説明をして頂きました。今年、五重塔の前の階段に龍が浮かび上がるという素敵なライトアップがされているのですが、その費用がなんと100万円! えっ、そんなにするの、という驚きと、そんなこと教えてくれてしまっていいの、という焦りが。さらには、これ以上照明が増やされると電力が追いつかずブレーカーが落ちる恐れがあると、電力会社から厳しく注意されているのだとか。だから、ライトアップ中はエアコンも付けられないです、と苦笑していました。そして、このライトアップは基本的に赤字なのだとか。それも言ってしまっていいの?という感じですが、網代僧侶はいたってあっけらかんとしていて気にしない様子。ライトアップ中に最低100人以上来てもらわないとトントンにならないかも、と言っていましたが、少ないときは20人ほどしか来ない日もあるそうです。私からすれば、そんな日に訪れたい、と思うのですが、お寺さんからすれば厳しいものがあるのでしょう。

龍が昇っていきます

鐘の音を合図にライトが点灯されるんです、という言葉で、その鐘を見たことがなかったことに気付きました。そういえばまだ見たことがないです、と伝えると、わざわざその場所まで案内してくれました。金堂から脇道にそれた先にあったのですが、今までまったく気付きませんでした。まあ、立ち入り禁止の看板が立っているのでずっと気づかないままだった可能性もありますが。あれ、ライトが当たっていないですね、と近くまで行って、くるりとライトの向きを変えてしまっていました。勝手に動かしていいんですか?と聞くと、大丈夫でしょう、と笑います。

また、本堂まで戻ってきて、いろいろと話を聞かせてもらいました。多分、一時間以上は付き合って頂いたのではないでしょうか。予定していた6時50分発のバスの時間はあっという間に過ぎてしまいました。お坊さんについてのことなど、普段はなかなか聞く機会のないことまでたくさん話をしてくれるので、とても勉強になります。

本堂にて

それにしても、さすがにこの日は次から次へと人が来るので、なかなか写真を撮るチャンスに恵まれません。網代僧侶との会話を終えた後も、しばらく本堂辺りを陣取っていました。さすがに誰も写らないというのは不可能でしたが、それでと待っていると人の数がふっと減るときがあります。時間に制約がない者の強みかもしれません。

少し早かったのですが、戻ることにしました。山門前に行ってみると、またまた網代僧侶がいます。そしてまたまたいろいろな話に花が咲いてしまいました。ただ、19時50分発のバスを逃すと帰りの手段がなくなってしまうので、それだけは気をつけないといけません。そのことを伝えると、もし乗り遅れたら駅までは送れますよ、とまで言ってくれます。時々、村のおばちゃんたちがそんなことをしてあげているのだそうです。優しい。ただ、そこまで図々しくはなれないので、また明日も来ます、と挨拶をしてお暇しました。

新幹線の始発に乗って室生寺へ向かい、室生寺発のバスの終電で帰る。我ながら、よくやるよ、と苦笑しますが、室生寺はそれだけの価値は十二分にあります。明日もまた楽しみです。


ぶれぶれです・・・
金堂を見下ろす場所で
鎧坂

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