2015年4月28日火曜日

新緑と三重塔 ~湖東三山 西明寺~

西明寺もひっそりとしていました。とにかく誰もいません。あの紅葉の時期が嘘のようです。

今回も愛のりタクシーに参道の入口で降ろしてもらいました。本堂近くまで連れて行ってもらうこともできるのですが、西明寺の参道は苔に覆われていてなかなか趣のある参道なので、ちょっと大変ではあるのですが、ゆっくり登って行くのが好きなのです。

最近の晴天続きで苔は少し潤いがなくなっている感じがしましたが、やはり濃い緑色がきれいです。そして、その上には淡い緑色の新緑が広がっていて、緑と言っても本当に様々な色があるのだと改めて思わされます。

西明寺の参道

本堂に行くと、何度かお会いしたことのある職員の年配の男性がいて、また来てくれたんだね、と嬉しそうに案内をしてくれました。ちょうどお昼を食べていたにも関わらず、すぐ終わるからちょっと待ってて、とあっという間に食べてしまいました。ゆっくり食べないと体に悪いですよ、と言うと、いやぁ~もう関係ないね、と笑います。

西明寺のご本尊も秘仏ですので目にすることはできませんが、ここでの私のお気に入りは十二神将です。初めて十二神将の説明を受けたのが西明寺だったので、思い入れもあるのだと思います。そしてその説明をしてくれたのが、このおじさんでした。やはり、覚えていてくれるというのは嬉しいものです。

驚いたのは、秘仏の薬師如来の脇侍である日光・月光菩薩がもうすぐ京都へ修復のために出張されてしまい、四年間は戻らないということ。今のうちに拝めて良かったねぇ、と言われてちょっと嬉しくなってしまいました。

そして、今回初めて三重塔の内部を拝観してきました。内部の公開は春と秋のそれぞれ一ヶ月の間なのだそうですが、天気が良くないと開けないのだとか。また、秋は人が多いのでお薦めは春の晴れた日、すなわち今日みたいな日なのだそうです。これまたラッキーです。1000円かかってしまうのでちょっと躊躇したのですが、せっかくの機会だということで奮発しました。そして、奮発した甲斐は十二分にありました。

西明寺の三重塔

内部の壁画を守るためと、荷物は外の木箱の中にしまいます。そして小さな扉を開けて中に入ったとき、思わずうわっ!と小さな声をあげてしまいました。あまりにも色鮮やかだったからです。すべてこの三重塔が建てられた700年前の状態のままなのだそうです。ここまで色鮮やかに残るものなのかと驚きました。

それほど大きくないスペースの中央には大日如来が座し、その周りには四本の柱が立ち、一本一本にそれぞれ八体の菩薩の姿が描かれています。さらに外側の柱、天井、壁にも隙間なく仏教に関わる絵が描かれていて圧巻でした。極楽鳥、牡丹、蓮、鳳凰、唐草などの装飾品や法華経を絵で説明したとされる壁画など圧倒されました。もう1人の職員の方がとても丁寧に説明してくださって、愛のりタクシーの時間さえ気にしなければ、もっとその場にいて眺めていたいと思ったほどです。

新緑のモミジは金剛輪寺の方が素晴らしかったですが、仏像や壁画などに関しては西明寺に軍配が上がります。ようするに、両寺とも甲乙付けがたいということですね。


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