2015年4月11日土曜日

又兵衛桜 ~奈良県 大宇陀~

室生寺のあと榛原まで移動して、大宇陀にある又兵衛桜という大きな枝垂れ桜を見に行ってきました。

榛原駅から一時間に2本程度のバスで20分弱揺られてまずは大宇陀高校前のバス停まで行きます。そしてそこから徒歩20分なのですが、雨でなければ大した距離ではありません。でもそれなりに降っている雨でしたから、やはり足元はみるみるうちに濡れてきます。ずんずん歩いていくので寒くはありませんが、やはりカメラがなかなかの重さなので肩が痛くなってきます。

そして見えてきたのが大きな枝垂れ桜です。こちらもピークは過ぎた感じですが、なかなか見応えのある大きな枝垂れ桜でした。この雨の中、観光バスが三台ほど停まっていましたが、人は少ないようでした。いたるところに水溜まりができているので、気をつけて歩くのですがさすがに限度があり運動靴はあっという間に泥だらけ。ま、仕方ありません。これも折り込み済みです。

また、枝垂桜の周りにはまた違った種類の桜が満開で、なかなか見応えがありました。また、又兵衛桜は川岸に立っているのですが、その川岸にはたくさんの菜の花も植えられていて、桜の菜の花の桃色と黄色のコントラストがまた素敵でした。

又兵衛桜と菜の花

これも桜だと思うのだが・・・

カメラのことさえ考えなければ、雨の中の桜もまた風情があり意外と好きです。バックに見える山々もうっすらと雲が降りてきていたりして、なかなか幻想的な風景を作り出していました。雨が降ると緑も青々としてきますし、空と地面のコントラストもそれほどきつくないので、落ち着いた写真が撮れます。もしかしたらこれが入江泰吉氏の一つの狙いだったのかもしれない、とふと思いました。曇りや雨のときの大和路を好んで撮影していたと聞きます。明るくて元気で活発な大和路より、雨に濡れてしっとりとした大和路の方がより大和路らしいと思っていたのかもしれません。そんな思いに少し触れられたような気がしました。

色のコントラストが優しい

又兵衛桜の帰りに天益寺というお寺に寄ってみることにしました。ここの桜もきれいだと聞いていたからです。又兵衛桜周辺の道路整備をしていたおじさんに道を聞くと、丁寧に教えてくれました。又兵衛桜から歩くこと15分ほどだったでしょうか。天益寺のさくらという看板が見え、細い山道を上がっていくと、確かに桜が何本も咲いているところに出てきました。ところが民家の庭先のような場所でお寺らしき場所が見当たりません。良く見てみると、その民家の前に説明書きがあり、この天益寺は平成十一年に焼失してしまったという旨の内容が書かれていました。びっくりです。

小高い丘の上に立っていた由緒あるお寺だったようですが、今は民家のような家が建っているだけです。そんなこともあり、どこか個人の庭先に勝手に入ってきてしまったような感覚を覚えてしまったのです。桜はきれいでしたが、やはりピークは過ぎていました。足元はぬかるんでいたし、誰もいなくてなんとなく心細くなってしまったので、写真をすばやく撮って引き返してしまいました。

結局一日中降っていた雨。嫌いではありません。雨も雨の良いところがあります。しっとりとした佇まいをフィルムに収めるのもなかなかいいものです。ただ、傘とカメラの両方を持つのが難しかったのは言うまでもありません。助手や友人がいれば傘を持ってもらったりすることができるのでしょうが、なにせ一人ですから一人二役をやる必要が出てきます。好きなことをやっているのですから文句はありませんが、なかなか大変なのは事実です。

でも十分満喫してきました。やはり奈良が好きです。そして、室生寺が最近は好きなお寺ナンバーワンになりつつあります。




0 件のコメント:

コメントを投稿