2014年11月3日月曜日

奈良 秋の特別開帳 第二弾

11月1日~3日の3日間のみ、法隆寺の上御堂が特別に開かれるという。ということで、またもや新幹線に飛び乗ってしまった。先日奈良に滞在したばかりだというのに、また弾丸日帰りの奈良である。

朝は四時起き、新幹線は始発。近鉄線とバスを乗り継いで、法隆寺前に到着したのは10時少し前だ。日曜日ということもあってか、法隆寺にはすでにたくさんの参拝者たちが訪れている。

南大門をくぐると正面に金堂と五重塔が奥に見える。法隆寺は私にとって、寺巡り仏像巡りの原点だと勝手に思っている。だからなのか、五重塔の姿がみえると、いつの間にか頬が緩む。今日は1日曇りで雨の可能性もある予報だったので、青空に映える五重塔、というわけにはいかなかったが、それでもやはりこの五重塔には存在感がある。

まずはその五重塔と金堂、そして講堂がある西伽藍へ。すでに何度も訪れている場所なので、最初に上御堂へ向かった。普段は閉まっている講堂の裏側の扉が開いていて、上御堂へ続く参道がある。参道といってもたいした距離ではなくすぐ後ろといった方が正しいかもしれない。階段をあがっていくとすぐに上御堂だ。

お堂の中で御朱印を頂く。法隆寺の御朱印はとても品が良い。もちろん、どのお寺で書いていただく御朱印も素晴らしいものばかりだと思うのだが、この法隆寺で頂く御朱印は特に丁寧で品があるように感じるのは、単純に贔屓目で見ているからだろうか。

上御堂には釈迦如来を中心に、右手に文殊菩薩、左手に普賢菩薩が安置されている。こちらも、もちろん国宝で飛鳥時代の作品だそうだ。四隅には四天王も立っている。こちらは色彩が割合とはっきり残っていて、顔の色もよくわかる。三尊像と同じ年代だとすれば、これだけ色が残っているのは珍しいのではないだろうか。

西伽藍に戻り、金堂内の釈迦三尊像を拝観する。こちらもすでに何回も見させてもらっているのだが、必ず寄るようにしている。アルカイックスマイルと呼ばれる独特の笑みを浮かべた仏像は、見れば見るほど味が出てくる気がするのだが、これもまた贔屓目のせいかもしれない。今回、四隅を守る四天王の中で、広目天が見あたらなかった。聞いてみると、現在東京の国立博物館へ出張中なのだそうだ。少し前は、毘沙門天と吉祥天が出張中だったし、なかなか全員が一同に介すというのは難しいのだろうか。

法隆寺の暖簾(?)
西伽藍を出て、御朱印を頂くために隣にある聖霊院に寄る。今回は夢違観音の名前を書いて頂いた。個人的にとても気に入っている仏像が宝物殿にある九面観音なので、九面観音の名前も書いていただけるのかと聞いてみると、それはちょっと書けないですねぇ、と言われた。でも他にたくさん書けるものはあるんですよ、と言われたので、どんなものが書けるんですか、と聞くと、例えば如来シリーズとかね、と言う。如来シリーズ? まさか如来にシリーズがつくとは、と思わず笑ってしまった。ご本尊の釈迦如来とか阿弥陀如来とかいろいろあるでしよ、と言う。そういえば、聖徳太子の言葉「以和為貴」や救世観音、百済観音などを今まで書いて頂いてきたが、本尊の如来は書いて頂いたことがない。では次回にぜひ、と伝えると、たくさんありますからたくさん来て下さい、と力強く言われてしまった。聖霊院を出ながら、次はいつ来るんだっけ、と考えてみる。冬に訪れる予定を組んでいたはずだ。そのときはご本尊をお願いしよう。

次に向かったのは法輪寺だ。その前に宝物殿や夢殿、中宮寺も見てきたが、ここも何回も見ているのでメインの場所だけさらっとまわる。

今回、法輪寺でも特別開帳をやっているとのことで、こちらも楽しみにしていた。法輪寺の講堂の裏手にある妙見堂が開かれているのだ。ここについては、前回訪れたときに初めて知ったことで、開帳される時期は不定期だということもあり、なかなか機会がないと思っていた。ところが今回、幸運にも開帳の時期に訪れることができたのだ。

法輪寺の三重塔

ちいさなお堂の中には、妙見菩薩と脇侍が安置されている。興味深いのは天井を埋め尽くす様々な天体にまつわる絵だ。妙見というのは北極星を現すといい、四天王や月の周期の二十八にまつわる神々など、たくさんの絵が正方形の板に描かれており、天井にはめ込まれている。天体曼陀羅と呼ばれているそうだ。

天井なので、一生懸命見ていると首がとっても疲れてくる。本当は寝っ転がって天井を眺めていたいのだが、さすがに仏様の御前である。無理だ。ミャンマーのパゴダだったら問題ないのにな、と涅槃佛の周りで寝ているミャンマーの人たちのことを思い出す。

講堂の御朱印を書いて下さる方に、妙見菩薩の御朱印があるのか聞いてみると、あまり大きい声では言っていないんですがありますよ、とにっこり。聞いてみるものである。なかなか見ることのできない仏像の御朱印を頂けるのはさらに特別な気がして、書いていただいている間つい笑みがこぼれてしまった。

法輪寺の暖簾(?)

バスの時間があったので、残念ではあったが、法起寺には寄らなかった。コスモスもまだたくさん咲いていて、写真も撮りたかったのだが、天気もあまり良くないし、バスも逃すと一時間待つ羽目になるので断念した。来年の楽しみが残るのだから良しとしよう。

このあとは、奈良に戻る。

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