2014年10月29日水曜日

木津 秋の特別開帳

今日は朝から真っ青な青空が広がるも、気温はずいぶん下がったようで、コートを着ていないと厳しい。

昨日に引き続き特別開帳巡りだが、今度は京都南部の木津周辺にある海住山寺、岩船寺、浄瑠璃寺が目的地。前回海住山寺に行ったとき、あまりのヘアピンカーブと急勾配の坂にヘロヘロになったので、今回は加茂駅から行きはタクシーにした。1200円ほどかかるのだが、今回たまたま目的地が同じご婦人二人と相乗りをさせていただき半額以下で済んでしまった。ありがたい。

海住山寺の受付に行くと、一番乗りですね、と言われちょっと嬉しい(^-^) ここの特別開帳は五重塔の内部、普段は奈良国立博物館に所蔵されている四天王と十一面観音菩薩立像だ。

まず、五重塔だ。さすがに中に入れるわけではないが、四方の扉が開いており中を見ることができるようになっている。中央には舎利塔が安置され、四隅には小柄の四天王が立っている。小柄な五重塔なので、中も小さなスペースだが、扉の内側には火天、風天、菩薩などの絵も残されていた。

興味深かったのは、心柱が床まで伸びていなかったことだ。舎利塔が置かれている厨子の天井までしかない。床まであるのが普通だと思っていたので新たな発見でもあった。

海住山寺の五重塔

ここの四天王は複製だそうで、本物は本堂に置かれているということで、一度五重塔を離れて本堂へ向かう。本堂のご本尊は十一面観音菩薩。でも今回、印象に残っているのはやはり特別期間だけ国立博物館から戻ってくる小柄な十一面観音菩薩立像だ。写真で見たことはあったが、本物を見るのはもちろん初めて。

海住山寺の本堂

ガラスケースの中に立つ十一面観音像はとても小柄だが、表情がとてもいい。右足を少し曲げこれから一歩を踏み出すかのようなたたずまいだ。しげしげと眺めつつ、記憶にしっかりインプットされるように意識する。意識しないと、どこのお寺にどのような仏像があったかすぐに忘れてしまうのだ。すべてをはっきり覚える必要はない気もするし、気に入った仏像をしっかり覚えるようにすれば、おのずと記憶に残る仏像も増える気もする。ただ、ここ海住山寺はお寺全体が気に入っているし、この秘仏の十一面観音像の方が本堂のご本尊よりも気に入っているので、やはり忘れたくはない。

また、同じように別のガラスケースの中にオリジナルの四天王四体が置かれていた。驚くのその色彩の鮮やかさだ。長い年月の中で色彩が落ちてきてしまい、もともとの色がわからなくなってしまうものがほとんどの中で、この四天王はとてもきれいに色や模様が残っている。特に顔がそれぞれ赤、青、白、緑の四色に分かれていてとても鮮やかなのだ。個人的に好きな色は青で、青は多聞天の色のようだ。しかし天部という意味では広目天が意外に好きである。こちらの四体もじっくり見させていただいた。これほどの仏像たちをいつも拝観できないというのは残念だが、外気にさらされてこなかったからこそ色がこれほど綺麗に残っているともいえる。また、来年機会があったら来たいものである。

紅葉は海住山寺、岩船寺、浄瑠璃寺とも色付き始めてはいるが、まだまだではある。ただ、海住山寺には小さなもみじの木がすでに真っ赤になっていて、それはそれはきれいだった。境内にあるすべてのもみじが紅葉したら、相当艶やかな風景になるのだと思う。ただし、人混みもすごそうだ。浄瑠璃寺の食堂の方に聞いてみると、紅葉の最盛期は頭しか見えませんよ、と笑っていた。
海住山寺の五重塔と紅葉
海住山寺の境内にあるナスの置物(?)
前回、到着したとだまされた(?)山門らしき門
海住山寺口バス停付近
本数はこんなもんです

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