2014年11月15日土曜日

鳥獣戯画特別展 第二弾

海住山寺に行った後、一気にまた京都まで戻り、国立博物館に向かった。

もちろん目的は、鳥獣戯画特別展の第二弾だ。11月5日から四巻すべてにおいて別の場面が展示されるということで、もし機会があれば行きたいものだとは思っていた。ただ、鳥獣戯画展だけのために京都まで行くのは少々きついものがあって、どうしようかと迷っていた。で、海住山寺である。海住山寺に行く、ということで、午後を国立博物館に行こうと決めたわけだ。

12時過ぎに国立博物館に着いたのだが、あまりの人の多さにまずは驚いた。前回は屋外30分、屋内20分の待ち時間だったのに、今回は屋外120分、屋内50分と表示されているのだ。甲巻を見るだけのために3時間近くも待たなくてはならない。さすがに躊躇したが、せっかく京都まで来ているのである。ここまで来てみない訳にもいかない。ただ、なんとなくこのお昼前後が一番混んでいるような感じがしたので、まずは博物館に併設されたカフェで昼食をとることにした。

びっくりの待ち時間

もちろん、このカフェも席待ちの人たちが列を作っていたが、思っていたよりも早く席に案内してもらうことができた。屋内は満席だったので、テラス席になったが、気候がちょうどいい感じで、外で食べるのにちょうどよい気温でもあった。40分ほどそこでゆっくりした後、意を決して列に並ぶことにした。

その頃にはなんとか屋外の待ち時間が90分と若干減っていた。それでもずらりと人が並んでいる。秋とはいえ、この日の日差しはとても強く、クロマーで頭や顔を隠しながら待ち続ける。定期的に動くので、辛すぎることはなかったが、やはり長い。文庫本を持っていたので、それを読んで時間を潰していた。

しっかり90分後、やっと博物館内に入ることができた。今回は初めてイヤホンガイドを借りてみる。どうせ甲巻を見るために並ぶことになるのだし、前回すでに壁に貼られている説明文などはすべて三回以上読んでしまっている。ということで、イヤホンガイドを聞きながら時間を潰そうと思ったのだ。

甲巻が展示されている部屋はやはり長蛇の列ができていた。ただ、外に表示されているような50分という待ち時間ではなく、20分ほどで甲巻にたどり着いた気がする。係のお兄さんが、「立ち止まらないでください。前の人と間隔を開けずにお進みください」とひっきりなしに連呼するので、否が応でも前に進まざるを得ない。これだけの人が並んでいるのだから仕方がないとは思うが、せっかくなのだから静かに見たいと心の中で愚痴ってしまう。

今回の場面は、甲巻の中でも有名な箇所で、カエルとウサギが相撲をしていたり、ウサギが猿を追いかけている場面などが生き生きと描かれていた。前回の場面の好きだったが、今回の場面はまさに鳥獣戯画としてよく見かける場面だったので、やはり本物を見ることができたということで、自然と笑みがこぼれる。まあ、ゆっくりじっくり見ることができないのは残念ではあったが。

次の部屋は乙巻だが、ここもそれなりの列ができていた。前回は列などほとんどできていなかったので、今回の場面の方が人気があるということなのだろうか。想像上の麒麟、ヒョウ、象などが描かれていて、こちらもまた興味深い。ただ、この後の丙、丁巻は飛ばしてしまった。あまり人物画などに興味がないせいか、甲・乙巻の動物たちの方が興味深いのだ。

今回はせっかくなので、乙巻を見た後もう一度甲巻の部屋に戻って列に並びなおした。30分くらいでまた甲巻とご対面することができ、二回目の見学を行う。もちろん、このときもあのお兄さんたちの声にせかされてしまうのだが、それでもなるべくゆっくり見させてもらった。ウサギとカエルがメインなのだが、猿や猫の姿も見ることができて、本当に面白い。できればゆっくり見てみたい。彼らの表情や動きをもう少しゆっくりじっくり見てみたい。そんな思いを持ちながら、今回の鳥獣戯画展を後にした。

屋外に展示されていた甲巻の場面の一部

今回は高山寺の収蔵品はほとんど見ることなく、甲巻・乙巻に終始してしまった。ショップで絵葉書を数枚購入して外に出る。

時間には余裕があったので、京へのいざない、という展示も見に行くことにした。さすが国立博物館というべきか、国宝や重要文化財がずらりと並んでいる。彫刻、金工、染織などの分野によって部屋が分かれていたのだが、彫刻しかあまり興味のない私は彫刻以外の部屋をほとんど見ることなく終えてしまった。

彫刻の部屋も見応えはあったのだが、実は意外と印象に残っていない。人が多くて説明文をゆっくり読むことができなかったこともあるだろうし、様々なお寺から出張してきている仏像が並んでいたので、どれがどのお寺の仏像なのかしっかり把握することができず、記憶にもしっかり残らなかったのかもしれない。やはりお寺、お寺の雰囲気、そして仏像がすべて気に入ったところは記憶にもしっかり残りやすい。法隆寺、薬師寺、海住山寺などはお気に入りのトップ5には入っているだろう。ということで、すごいなぁ、と思いつつも、国立博物館の仏像の記憶がほとんどない、という申し訳ないような結果になってしまった。


0 件のコメント:

コメントを投稿