2014年11月19日水曜日

室生寺と紅葉~そしてライトアップ

最近、毎週のように奈良詣でをしている。今回は、室生寺、長谷寺、聖林寺と巡ってきた。

紅葉の時期ということもあり、参拝客も多いのではないかと思ったこともあり、室生寺には開門と同時に着くようにした。ということで、今回は日帰りではなく、前日に鈴鹿で一泊をして、朝早く室生口大野に到着。

天気予報はそれほど悪くなかったのだが、室生口大野に到着したときは、一面雲に覆われていて太陽はまったく顔を見せてくれない。この時間はバスもまだ走っていないので、贅沢にもタクシーを使った。2500円ほどかかるので、安くはないが仕方がない。

今回は紅葉と同時に、金堂の内陣も特別に入れるということで、こちらも楽しみだった。仙台で室生寺展を見て、十一面観音や釈迦如来などは拝観させてもらっていたが、やはりお堂の中で拝観したい。

到着したときは、すでに一、二組の参拝客がいたが、まだまだしんとしている。お寺の職員の方々が階段やお堂の前の縁側を掃除していた。紅葉が一番綺麗だったのは本堂の前だ。まだ最盛期ではなかったが、最盛期ではないからこそのグラデーションがとても綺麗だ。

室生寺の本堂ともみじ   


本堂を別の角度から

 室生寺の五重塔 
 
今回も頑張って奥の院まで上ってみる。なかなかの階段で、ゆっくりゆっくり上っているつもりなのに、途中で息が上がってくる。途中、奥の院までの階段を掃きながら上がっていく職員の方に挨拶をした。ゼーゼー言いながら到着した奥の院。残念ながらまだ開いておらず、ご朱印を頂くことができなかった。先ほどの職員の方が到着し、建物を開け始めたので、この人が書いてくれる人なのだろう。ただ、待つほどのことでもないな、と思い下ってしまった。

金堂の仏像を拝観するために、外陣に入らせて頂く。しっかり400円の拝観料を取られるが、十二神将の小さなクリアファイルを頂けるのは、とても良心的だと思う。外陣に座らせてもらい、十二神将、十一面観音、薬師如来、釈迦如来などを拝観させていただく。室生寺展では仏像を360°見ることができて、それはそれでなかなかない機会なので仙台まで行った甲斐はあったが、やはりお堂に佇む姿が一番似合う気がする。他の参拝客の邪魔にならないように、少しずれた位置に座ってぼんやり仏像を見つめていた。

この後、一旦室生寺を後にして、長谷寺と聖林寺とを巡り、午後4時半くらいにまた室生寺に戻ってきた。再度入山料を払わないといけないと思っていたのだが、午前中に受付の方にチケットの裏に日付の印を押しておきますから、出入り自由ですよ、と言って頂いた。これもまたとても良心的。

ライトアップは午後5時からということで、着いたときは職員の方がたくさんある石段の一つ一つに蝋燭を置いていた。これをライトアップの期間毎日やっているのだという。大変な作業だとおもうのだが、5時前にはすべての蝋燭に火が灯されていた。

5時まで、本堂前のベンチに座って本堂を眺めていた。少しずつ人も増えてきているが、思ったよりは少なくいい感じである。お寺によっては三脚を禁止しているところもあるのだが、ここは大丈夫なようで、思い思いの場所に三脚を立てて、5時になるのを待っている人も数人いた。辺りが暗くなっていくのと同時に、気温もぐんぐん下がっていく。あっという間に吐く息が白くなってしまった。手袋やマフラーを持ってきて正解である。

そして5時。パッとライトが付く。夜の中に紅葉が綺麗に現れる。派手さはないが、室生寺らしい綺麗なライトアップだ。皆、一斉に写真を撮り始める。それほど人が多くないので、お互いに邪魔にならないようにしているのが良かった。私は三脚を持っていないので、柵や灯籠を利用させてもらいながら、カメラを固定して何枚か撮らせてもらった。

ライトアップ時の本堂

五重塔もライトアップされていて素敵だ。五重塔の手前には石段があり、両側には蝋燭が灯されていて、幻想的な雰囲気を醸し出している。ここもまた多くのカメラマンがシャッターを押しまくっていたが、ほとぼりが冷めたところで階段を上らせてもらい、近くからも写真を数枚撮ることができた。

ライトアップ時の五重塔
 
訪れる人が意外に少ないな、と思ったのだが、実は室生寺がライトアップを始めたのは昨年なのだそうだ。ということは、まだそれほど知名度も高くないのだろう。これから毎年行われていく中で、少しずつ人気が出てくるのだろうか。それはそれで室生寺にとっては良いことなのだろうが、私からするとあまりうれしくない。まあ、自分勝手な思いだとは重々承知なのだが。

帰りのバスから見る道はまったくの闇だった。バスのライトが消えてしまったら、まさに何も見えなくなってしまうのではないだろうか。室生寺の周りの小さな集落を過ぎてしまうと、室生口大野駅に近くなるまで、ほとんど光がない。バスの一番前に乗っていたので、余計にそれを感じてしまった。

室生寺。お気に入りのお寺の一つである。
 
参道を蝋燭が灯す
職員の方々の努力の結晶

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