2014年11月19日水曜日

室生寺と紅葉~そしてライトアップ

最近、毎週のように奈良詣でをしている。今回は、室生寺、長谷寺、聖林寺と巡ってきた。

紅葉の時期ということもあり、参拝客も多いのではないかと思ったこともあり、室生寺には開門と同時に着くようにした。ということで、今回は日帰りではなく、前日に鈴鹿で一泊をして、朝早く室生口大野に到着。

天気予報はそれほど悪くなかったのだが、室生口大野に到着したときは、一面雲に覆われていて太陽はまったく顔を見せてくれない。この時間はバスもまだ走っていないので、贅沢にもタクシーを使った。2500円ほどかかるので、安くはないが仕方がない。

今回は紅葉と同時に、金堂の内陣も特別に入れるということで、こちらも楽しみだった。仙台で室生寺展を見て、十一面観音や釈迦如来などは拝観させてもらっていたが、やはりお堂の中で拝観したい。

到着したときは、すでに一、二組の参拝客がいたが、まだまだしんとしている。お寺の職員の方々が階段やお堂の前の縁側を掃除していた。紅葉が一番綺麗だったのは本堂の前だ。まだ最盛期ではなかったが、最盛期ではないからこそのグラデーションがとても綺麗だ。

室生寺の本堂ともみじ   


本堂を別の角度から

 室生寺の五重塔 
 
今回も頑張って奥の院まで上ってみる。なかなかの階段で、ゆっくりゆっくり上っているつもりなのに、途中で息が上がってくる。途中、奥の院までの階段を掃きながら上がっていく職員の方に挨拶をした。ゼーゼー言いながら到着した奥の院。残念ながらまだ開いておらず、ご朱印を頂くことができなかった。先ほどの職員の方が到着し、建物を開け始めたので、この人が書いてくれる人なのだろう。ただ、待つほどのことでもないな、と思い下ってしまった。

金堂の仏像を拝観するために、外陣に入らせて頂く。しっかり400円の拝観料を取られるが、十二神将の小さなクリアファイルを頂けるのは、とても良心的だと思う。外陣に座らせてもらい、十二神将、十一面観音、薬師如来、釈迦如来などを拝観させていただく。室生寺展では仏像を360°見ることができて、それはそれでなかなかない機会なので仙台まで行った甲斐はあったが、やはりお堂に佇む姿が一番似合う気がする。他の参拝客の邪魔にならないように、少しずれた位置に座ってぼんやり仏像を見つめていた。

この後、一旦室生寺を後にして、長谷寺と聖林寺とを巡り、午後4時半くらいにまた室生寺に戻ってきた。再度入山料を払わないといけないと思っていたのだが、午前中に受付の方にチケットの裏に日付の印を押しておきますから、出入り自由ですよ、と言って頂いた。これもまたとても良心的。

ライトアップは午後5時からということで、着いたときは職員の方がたくさんある石段の一つ一つに蝋燭を置いていた。これをライトアップの期間毎日やっているのだという。大変な作業だとおもうのだが、5時前にはすべての蝋燭に火が灯されていた。

5時まで、本堂前のベンチに座って本堂を眺めていた。少しずつ人も増えてきているが、思ったよりは少なくいい感じである。お寺によっては三脚を禁止しているところもあるのだが、ここは大丈夫なようで、思い思いの場所に三脚を立てて、5時になるのを待っている人も数人いた。辺りが暗くなっていくのと同時に、気温もぐんぐん下がっていく。あっという間に吐く息が白くなってしまった。手袋やマフラーを持ってきて正解である。

そして5時。パッとライトが付く。夜の中に紅葉が綺麗に現れる。派手さはないが、室生寺らしい綺麗なライトアップだ。皆、一斉に写真を撮り始める。それほど人が多くないので、お互いに邪魔にならないようにしているのが良かった。私は三脚を持っていないので、柵や灯籠を利用させてもらいながら、カメラを固定して何枚か撮らせてもらった。

ライトアップ時の本堂

五重塔もライトアップされていて素敵だ。五重塔の手前には石段があり、両側には蝋燭が灯されていて、幻想的な雰囲気を醸し出している。ここもまた多くのカメラマンがシャッターを押しまくっていたが、ほとぼりが冷めたところで階段を上らせてもらい、近くからも写真を数枚撮ることができた。

ライトアップ時の五重塔
 
訪れる人が意外に少ないな、と思ったのだが、実は室生寺がライトアップを始めたのは昨年なのだそうだ。ということは、まだそれほど知名度も高くないのだろう。これから毎年行われていく中で、少しずつ人気が出てくるのだろうか。それはそれで室生寺にとっては良いことなのだろうが、私からするとあまりうれしくない。まあ、自分勝手な思いだとは重々承知なのだが。

帰りのバスから見る道はまったくの闇だった。バスのライトが消えてしまったら、まさに何も見えなくなってしまうのではないだろうか。室生寺の周りの小さな集落を過ぎてしまうと、室生口大野駅に近くなるまで、ほとんど光がない。バスの一番前に乗っていたので、余計にそれを感じてしまった。

室生寺。お気に入りのお寺の一つである。
 
参道を蝋燭が灯す
職員の方々の努力の結晶

「星と祭」 井上靖

井上靖氏著の「星と祭」を読んだ。


前回、海住山寺を訪れたときにお会いしたご婦人たちが、この本を読んで滋賀県の湖北にある十一面観音巡りをした、と聞いたからだ。職場の図書館で探してみたのだが置いていなかったので注文してもらうと、在庫もなく入荷する予定もないと言われたという。ところが、別の図書館から借りることができ、なんとか読むことができた。借りた文庫本も年期が入っていて、とても古さを感じさせる。アマゾンでのレビューも悪くないのになぜないのだろう? それほど古いということか。


観音巡りばかりの話ではないが、びわ湖を中心にして話が進む。詳しい内容を書くことは差し控えるが、読み終わり、私も湖北の観音巡りをしたくなったのは事実。特に主人公が観音像に対し、拝むわけでもなく、願い事をするわけでもない。それなのに惹かれるというようなことを言っており、ものすごく共感してしまった。湖北の観音様たちは基本的にお寺を持っていない。


地元の人たちが大事に守ってきたからこそ、今も多くの観音様たちが湖北にいらっしゃるのだそうだ。そんな観音様たちに会いに行こうと思った。交通の便も良くないようだし、予約をしないと見られないところがほとんどのようだが、海住山寺でお会いしたご婦人たちも絶賛していた観音様たちだ。


そのとき私は拝むのだろうか?

2014年11月15日土曜日

鳥獣戯画特別展 第二弾

海住山寺に行った後、一気にまた京都まで戻り、国立博物館に向かった。

もちろん目的は、鳥獣戯画特別展の第二弾だ。11月5日から四巻すべてにおいて別の場面が展示されるということで、もし機会があれば行きたいものだとは思っていた。ただ、鳥獣戯画展だけのために京都まで行くのは少々きついものがあって、どうしようかと迷っていた。で、海住山寺である。海住山寺に行く、ということで、午後を国立博物館に行こうと決めたわけだ。

12時過ぎに国立博物館に着いたのだが、あまりの人の多さにまずは驚いた。前回は屋外30分、屋内20分の待ち時間だったのに、今回は屋外120分、屋内50分と表示されているのだ。甲巻を見るだけのために3時間近くも待たなくてはならない。さすがに躊躇したが、せっかく京都まで来ているのである。ここまで来てみない訳にもいかない。ただ、なんとなくこのお昼前後が一番混んでいるような感じがしたので、まずは博物館に併設されたカフェで昼食をとることにした。

びっくりの待ち時間

もちろん、このカフェも席待ちの人たちが列を作っていたが、思っていたよりも早く席に案内してもらうことができた。屋内は満席だったので、テラス席になったが、気候がちょうどいい感じで、外で食べるのにちょうどよい気温でもあった。40分ほどそこでゆっくりした後、意を決して列に並ぶことにした。

その頃にはなんとか屋外の待ち時間が90分と若干減っていた。それでもずらりと人が並んでいる。秋とはいえ、この日の日差しはとても強く、クロマーで頭や顔を隠しながら待ち続ける。定期的に動くので、辛すぎることはなかったが、やはり長い。文庫本を持っていたので、それを読んで時間を潰していた。

しっかり90分後、やっと博物館内に入ることができた。今回は初めてイヤホンガイドを借りてみる。どうせ甲巻を見るために並ぶことになるのだし、前回すでに壁に貼られている説明文などはすべて三回以上読んでしまっている。ということで、イヤホンガイドを聞きながら時間を潰そうと思ったのだ。

甲巻が展示されている部屋はやはり長蛇の列ができていた。ただ、外に表示されているような50分という待ち時間ではなく、20分ほどで甲巻にたどり着いた気がする。係のお兄さんが、「立ち止まらないでください。前の人と間隔を開けずにお進みください」とひっきりなしに連呼するので、否が応でも前に進まざるを得ない。これだけの人が並んでいるのだから仕方がないとは思うが、せっかくなのだから静かに見たいと心の中で愚痴ってしまう。

今回の場面は、甲巻の中でも有名な箇所で、カエルとウサギが相撲をしていたり、ウサギが猿を追いかけている場面などが生き生きと描かれていた。前回の場面の好きだったが、今回の場面はまさに鳥獣戯画としてよく見かける場面だったので、やはり本物を見ることができたということで、自然と笑みがこぼれる。まあ、ゆっくりじっくり見ることができないのは残念ではあったが。

次の部屋は乙巻だが、ここもそれなりの列ができていた。前回は列などほとんどできていなかったので、今回の場面の方が人気があるということなのだろうか。想像上の麒麟、ヒョウ、象などが描かれていて、こちらもまた興味深い。ただ、この後の丙、丁巻は飛ばしてしまった。あまり人物画などに興味がないせいか、甲・乙巻の動物たちの方が興味深いのだ。

今回はせっかくなので、乙巻を見た後もう一度甲巻の部屋に戻って列に並びなおした。30分くらいでまた甲巻とご対面することができ、二回目の見学を行う。もちろん、このときもあのお兄さんたちの声にせかされてしまうのだが、それでもなるべくゆっくり見させてもらった。ウサギとカエルがメインなのだが、猿や猫の姿も見ることができて、本当に面白い。できればゆっくり見てみたい。彼らの表情や動きをもう少しゆっくりじっくり見てみたい。そんな思いを持ちながら、今回の鳥獣戯画展を後にした。

屋外に展示されていた甲巻の場面の一部

今回は高山寺の収蔵品はほとんど見ることなく、甲巻・乙巻に終始してしまった。ショップで絵葉書を数枚購入して外に出る。

時間には余裕があったので、京へのいざない、という展示も見に行くことにした。さすが国立博物館というべきか、国宝や重要文化財がずらりと並んでいる。彫刻、金工、染織などの分野によって部屋が分かれていたのだが、彫刻しかあまり興味のない私は彫刻以外の部屋をほとんど見ることなく終えてしまった。

彫刻の部屋も見応えはあったのだが、実は意外と印象に残っていない。人が多くて説明文をゆっくり読むことができなかったこともあるだろうし、様々なお寺から出張してきている仏像が並んでいたので、どれがどのお寺の仏像なのかしっかり把握することができず、記憶にもしっかり残らなかったのかもしれない。やはりお寺、お寺の雰囲気、そして仏像がすべて気に入ったところは記憶にもしっかり残りやすい。法隆寺、薬師寺、海住山寺などはお気に入りのトップ5には入っているだろう。ということで、すごいなぁ、と思いつつも、国立博物館の仏像の記憶がほとんどない、という申し訳ないような結果になってしまった。


2014年11月13日木曜日

海住山寺と紅葉

またまた弾丸での日帰り京都(@^▽^@)

今回の目的は二つ。一つ目は気に入った海住山寺の紅葉を見ることだった。

先日、特別開帳の期間に行ったばかりなのに、またまた海住山寺に足を運んでしまった。始発の新幹線に飛び乗ってまずは京都へ。少しでも早く海住山寺に着きたくて、乗り換え時間4分も走って出発間際のJR奈良線に飛び乗る。さらに木津では乗り換え時間は2分。 この乗り換えがうまくいかないと40分ほどロスすることになってしまうのだから大きい。おかげで加茂駅には9時過ぎには到着することができた。

タクシー乗り場に行くと、一台はちょうど出発してしまっていたが、もう一台がロータリーに入ってくるところだった。これを逃すとまたもや20分ほど待たされることになるため、今回は運が良かった。あのヘアピンカーブを一気に上って9時半前には海住山寺の境内に到着していた。

しかし。

境内の中はしんと静まり返っていて、人がいる気配がまったくない。HPでは9時に開門ということなので、この時間であれば開いているはずなのだがまったく人気がない。本堂の扉も閉まっていて中には入れそうにない。それでも境内には入ることができたし、一番好きな五重塔は均整のとれたすてきな姿を見せてくれているので困ることはない。

今回の中で一番のお気に入り

紅葉の方だが少しまだ早かったようだ。もみじの多くはこれからまさに赤くなろうとしているところでのようだ。でも、この色の変化の様子がまた素敵だった。天気予報で気にしていた空模様も真っ青な晴天に恵まれ、太陽の光を浴びて色付いてきた葉がキラキラ光っていた。色の変化の真っ最中のもみじはオレンジ色に輝いていて、それはそれで見とれてしまう。真っ赤に色付いたもみじもあり、ある意味いろいろな色のもみじを見ることができたので、少し早い感はあったけれど、これはこれで十分でもあった。

色付き始めたもみじと

太陽の光に透かして撮ってみたり、五重塔をバックに撮ってみたり、あっという間にフィルムを一本使い切ってしまう。デジタルであれば気にせずバシバシ撮るのだろうが、あえてのフィルムカメラである。枚数を気にしながらも露出を変えてみたりして何枚か撮ってみる。そして、このブログ用にスマホのカメラでも撮っておく。

五重塔の周りを行ったり来たりして、より良い構図がないか探しながら撮っていると、砂利石を踏みしめる音がかすかに聞こえてきた。やっと誰かが到着したようだ。しかし、どうやら参拝客の一人のようで、相変わらずお寺の関係者らしき人は誰もいない。開帳後間もない時期なので、そんなに参拝する人もいないと思っているのだろうか。

10時を過ぎたころ、やっとお寺の関係者の方が見えて、本堂の扉を開けてくれた。あのすてきな十一面観音像や四天王像はすでにいなくなってしまった後だったが、それでもせっかくなので中を拝観させていただいた。「一昨日まで特別公開中だったんですけどねぇ」と残念そうに受付の方が言ったので、「実はその期間中に来ているんです。今回は紅葉を見たくて」と答えると、驚きつつも嬉しそうに「そうでしたか」とにっこり笑ってくれた。「五重塔が好きなので」と付け加えると、「そうですよね、期間中は赤白の幕が張られていたから、五重塔としては今の方がいいですよね」と答えてくれた。

それにしても本当に静か。結局、最後までほとんど人が来ることなく、2,3組の参拝客が訪れていたくらいだった。浄瑠璃寺はこの紅葉の時期、ものすごい人出になると聞いているのだが、紅葉の最盛期にはここ海住山寺もたくさんの参拝客で埋まるのだろうか。今回の状況を見る限りでは、あまりそのようになる気配がない。交通の便もかかわっているのかもしれない。それでも、個人的にはこの海住山寺がとても気に入っている。やはり塔好きはこの五重塔の均整のとれたすてきな姿に惚れてしまっているのかも。そして、紅葉の十分満喫することができた。もう少し遅くすれば、もっと鮮やかなもみじや黄色のイチョウなども見られるようだが、それはまた来年に持ち越しだ。


帰りは歩いて一気に下り、集落近くのバス停で、コミュニティバスに乗り込み加茂駅まで戻る。タクシーだと約1200円、コミュニティバスだと200円。あの坂がなければ行きもコミュニティバスにしたいところだが、まあこれくらいの贅沢は許されるだろう。

この後はまた一気に京都まで戻り、鳥獣戯画展の第二弾を見に行く。
 

2014年11月11日火曜日

本を読むスピード

趣味の一つに読書がある。


ただ、毎回買っていると置き場所に困るので、仕事場の図書館を頻繁に利用している。暇さえあれば読みあさる時期があるかと思えば、パタリと読むのをやめてしまう時期もあったりして、我ながら波があるなとは思いつつ、最近は読みあさる時期に入っている。


半年ほど前は図書館にあった東野圭吾の本をほとんど読んでしまった。次に手をつけたのは図書館戦争シリーズで有名になった有川佑。さらに話題の池井戸潤。そして、NHKでドラマ化された裏同心シリーズも一気に読み終えた。裏同心シリーズくらいであれば、一日、二日あれば読み終えていた。


ところが。


先日、井上靖の「天平の甍」を読んだ時だった。薄い文庫本なのに、全然進まないのだ。面白くないからではない。漢字の量や文体の違いで、ゆっくり読まされていた。正直驚いた。文体でここまでスピードが落ちるものなのか。


天平の甍は鑑真和上が渡日するまでの話で、日本の遣唐使と共に留学僧として中国にわたった普照という僧侶を中心に話が進んでいく。まず恥ずかしながら、「併し」や「嘗て」が読めなかった。さらに、登場人物の名前が「普照」や「栄叡」である。他にも様々な耳慣れない名前や地名が出てくる。ゆっくり読まないと、あっという間にわからなくなっていた。


このような本もあったのだと改めて思い起こさせられたのと同時に、読みやすい本ばかり読むのもあまり良くないな、とも思った。無理に難しい本を読む必要はないかもしれないが、そればかりだと物足りなくなってくる。今回久しぶりに真剣にゆっくり読まされる本を手にとって、さらに読書の奥深さを知った気がしている。


今、読んでいるのは、同じく井上靖の敦煌。これが終わったら「星と祭」を読む予定だ。結局、この辺りも奈良巡り、仏像巡りに絡んできている。当然の成り行きなのかもしれない。


2014年11月3日月曜日

奈良 秋の特別開帳 第二弾 続き

法起寺からバスに乗り、奈良へ向かう。その途中から、雨が降り始めた。最初はポツポツと小降りだったのだが、奈良に近づいてくるにしたがって土砂降りになってしまった。外を歩くのが嫌になるほどの土砂降りだ。参ったなぁ、と思いつつ外を見る。折りたたみ傘は持ってきているが、この後の予定を組み直す必要があるかもしれない、と考える。ところが局地的だったようで、お昼を食べようと思っていたJR奈良駅に着く頃には、雨は小康状態になりつつあった。

まずはJR奈良駅近くの「奈良うまいもんプラザ」に併設する小さなレストランに入る。前回、ここの夕食が野菜たっぷりでとても美味しかったので、お昼も食べてみようと思ったのだ。

お昼時は一回だけだが奈良で取れた野菜のバイキングができる。時間が遅かったので、予定していたメニューはすでに売り切れていたが、サラダバイキングは問題ない。おひたしからポテトサラダまで、6種類くらいの野菜料理が並んでいてどれもとっても美味。ご飯も奈良県産のお米ヒノヒカリが美味しくて、つい五キロを買って宅配で送ってしまった(^_^;)

腹ごしらえをして外に出ると、すでに雨は上がっている。良かった。これから、県立美術館で催されている大古事記展と前回惚れた正了知大将像を見に行くことにする。

その大古事記展だが、残念ながら私の興味関心とは合わないようだ。古事記の様々な場面が絵に画かれていたり、説明があったりするのだがどうもダメで、あっという間に通り過ぎてしまう。まあ、古事記展なのだから仏像とかお寺関連のものがあるはずもなく、私にとっての面白いものがなかったのだ。ショップで購入したのも古事記とはまったく関係のない仏像のカレンダー。西大寺の愛禅明王や法隆寺の百済観音が載っており、つい衝動買いをしてしまった。

気を取り直して興福寺の東金堂後方へ向かう。さすがに前回より参拝者の数は多かったが、ゆっくり時間をかけて見る人はあまりいないようで、思ったより静かにゆっくり見学することができた。
今回気づいたのは、槍のようなものを持つ多聞天の手だ。とても温かみのある手で、まるで本物のように見えてしまった。手ねぇ、と我ながらマニアックだと思い苦笑してしまう。相変わらず背中はセクシー。

ここの四天王は大きくて迫力があるのだが、踏みつけられている邪鬼の存在感もなかなかのものである。特に増長天に踏みつけられている邪鬼は右足をにゅっと突き出していて、思わず触りたくなってしまう。広目天に踏みつけられている邪鬼は目をギョロリとさせていて、目が合うとまるで本当に見られていると思ってしまうほどだ。

時間に余裕があったこともあり、ゆっくり何度も見て回る。正了知大将像は相変わらず凛々しい。若々しくもある。でも、正了知大将をネットで調べてみても、この興福寺の情報しか得られず、英語表記ならわかるかもしれないと、受付の方に聞いてみた。すると、なんと外国人の僧侶を紹介してくれたのだ。たまたま近くにいたこともあったが、外国人の僧侶とは驚きである。それもとっても日本語が上手。

早速聞いてみるが、正了知大将は日本特有の神様のようで、英語でも同じ「セイリョウチタイショウ」になってしまうのだそうだ。それにしても流暢な日本語を話す。つい、海外で仏教を学んだのですか?と質問をしてしまった。アメリカで仏教を学んで日本に来たのですが今はこの通りです、と頭を撫でながらにっこり。きっと私や一般の日本人よりはるかに仏教についての知識はあるのだろう。もっといろいろ聞いてみたかったが、さすがにそれはやめておいた。

そろそろ駅に戻る時間だ。特別開帳、はまってしまいそうだ。
興福寺の五重塔
興福寺の東金堂と五重塔

奈良 秋の特別開帳 第二弾

11月1日~3日の3日間のみ、法隆寺の上御堂が特別に開かれるという。ということで、またもや新幹線に飛び乗ってしまった。先日奈良に滞在したばかりだというのに、また弾丸日帰りの奈良である。

朝は四時起き、新幹線は始発。近鉄線とバスを乗り継いで、法隆寺前に到着したのは10時少し前だ。日曜日ということもあってか、法隆寺にはすでにたくさんの参拝者たちが訪れている。

南大門をくぐると正面に金堂と五重塔が奥に見える。法隆寺は私にとって、寺巡り仏像巡りの原点だと勝手に思っている。だからなのか、五重塔の姿がみえると、いつの間にか頬が緩む。今日は1日曇りで雨の可能性もある予報だったので、青空に映える五重塔、というわけにはいかなかったが、それでもやはりこの五重塔には存在感がある。

まずはその五重塔と金堂、そして講堂がある西伽藍へ。すでに何度も訪れている場所なので、最初に上御堂へ向かった。普段は閉まっている講堂の裏側の扉が開いていて、上御堂へ続く参道がある。参道といってもたいした距離ではなくすぐ後ろといった方が正しいかもしれない。階段をあがっていくとすぐに上御堂だ。

お堂の中で御朱印を頂く。法隆寺の御朱印はとても品が良い。もちろん、どのお寺で書いていただく御朱印も素晴らしいものばかりだと思うのだが、この法隆寺で頂く御朱印は特に丁寧で品があるように感じるのは、単純に贔屓目で見ているからだろうか。

上御堂には釈迦如来を中心に、右手に文殊菩薩、左手に普賢菩薩が安置されている。こちらも、もちろん国宝で飛鳥時代の作品だそうだ。四隅には四天王も立っている。こちらは色彩が割合とはっきり残っていて、顔の色もよくわかる。三尊像と同じ年代だとすれば、これだけ色が残っているのは珍しいのではないだろうか。

西伽藍に戻り、金堂内の釈迦三尊像を拝観する。こちらもすでに何回も見させてもらっているのだが、必ず寄るようにしている。アルカイックスマイルと呼ばれる独特の笑みを浮かべた仏像は、見れば見るほど味が出てくる気がするのだが、これもまた贔屓目のせいかもしれない。今回、四隅を守る四天王の中で、広目天が見あたらなかった。聞いてみると、現在東京の国立博物館へ出張中なのだそうだ。少し前は、毘沙門天と吉祥天が出張中だったし、なかなか全員が一同に介すというのは難しいのだろうか。

法隆寺の暖簾(?)
西伽藍を出て、御朱印を頂くために隣にある聖霊院に寄る。今回は夢違観音の名前を書いて頂いた。個人的にとても気に入っている仏像が宝物殿にある九面観音なので、九面観音の名前も書いていただけるのかと聞いてみると、それはちょっと書けないですねぇ、と言われた。でも他にたくさん書けるものはあるんですよ、と言われたので、どんなものが書けるんですか、と聞くと、例えば如来シリーズとかね、と言う。如来シリーズ? まさか如来にシリーズがつくとは、と思わず笑ってしまった。ご本尊の釈迦如来とか阿弥陀如来とかいろいろあるでしよ、と言う。そういえば、聖徳太子の言葉「以和為貴」や救世観音、百済観音などを今まで書いて頂いてきたが、本尊の如来は書いて頂いたことがない。では次回にぜひ、と伝えると、たくさんありますからたくさん来て下さい、と力強く言われてしまった。聖霊院を出ながら、次はいつ来るんだっけ、と考えてみる。冬に訪れる予定を組んでいたはずだ。そのときはご本尊をお願いしよう。

次に向かったのは法輪寺だ。その前に宝物殿や夢殿、中宮寺も見てきたが、ここも何回も見ているのでメインの場所だけさらっとまわる。

今回、法輪寺でも特別開帳をやっているとのことで、こちらも楽しみにしていた。法輪寺の講堂の裏手にある妙見堂が開かれているのだ。ここについては、前回訪れたときに初めて知ったことで、開帳される時期は不定期だということもあり、なかなか機会がないと思っていた。ところが今回、幸運にも開帳の時期に訪れることができたのだ。

法輪寺の三重塔

ちいさなお堂の中には、妙見菩薩と脇侍が安置されている。興味深いのは天井を埋め尽くす様々な天体にまつわる絵だ。妙見というのは北極星を現すといい、四天王や月の周期の二十八にまつわる神々など、たくさんの絵が正方形の板に描かれており、天井にはめ込まれている。天体曼陀羅と呼ばれているそうだ。

天井なので、一生懸命見ていると首がとっても疲れてくる。本当は寝っ転がって天井を眺めていたいのだが、さすがに仏様の御前である。無理だ。ミャンマーのパゴダだったら問題ないのにな、と涅槃佛の周りで寝ているミャンマーの人たちのことを思い出す。

講堂の御朱印を書いて下さる方に、妙見菩薩の御朱印があるのか聞いてみると、あまり大きい声では言っていないんですがありますよ、とにっこり。聞いてみるものである。なかなか見ることのできない仏像の御朱印を頂けるのはさらに特別な気がして、書いていただいている間つい笑みがこぼれてしまった。

法輪寺の暖簾(?)

バスの時間があったので、残念ではあったが、法起寺には寄らなかった。コスモスもまだたくさん咲いていて、写真も撮りたかったのだが、天気もあまり良くないし、バスも逃すと一時間待つ羽目になるので断念した。来年の楽しみが残るのだから良しとしよう。

このあとは、奈良に戻る。