2014年7月31日木曜日

僧侶と巡るロータスロード (5) 法話(高次僧侶)編

最後は喜光寺の写経堂でお三方の法話をそれぞれ15分ほど聞かせていただいた。それぞれのお寺で、仏像やお寺の説明などを聞いて、皆さんとてもお話が上手だったので、法話もとても楽しみにしていた。

最初は薬師寺の高次僧侶。高次僧侶は薬師寺と関係の深い玄奘三蔵の話から、「不東」と「不可得」について話をしてくれた。

高次僧侶

 「不東」とは、玄奘三蔵が今の中国からインドに向けて旅をしているとき、どんな困難が立ちはだかろうと、経典を手に入れるという目的を成し遂げるまでは、東に向く、すなわち中国に戻ることはない、という強い決意を表した言葉だ。実は私、こと言葉を知っていた。奈良通いが始まって、仏像やお寺についての文献を読み始めてからの知識のはずだから、最近読んだ本のはずなのに、どの本だったかまったく思い出せない。それでも、この言葉を知っていたのは私だけだったみたいで、ちょっと優越感に浸ってしまったが(^_^;)

逆に「不可得」という言葉は初めて聞いた言葉だった。玄奘三蔵が最後に言われた言葉がこの言葉なのだという。すべては結局の所、得るのは不可能なのだという、深い言葉のようだ。このことを聞いたとき、聖書の言葉の「空の空。すべては空」という言葉を思い出した。きちんと理解したわけではないけれど、いろいろと考えさせる言葉だとは思う。宗教は異なるけれど、どこか通ずるところがある。そんな気持ちにさせられた。

26歳だという高次僧侶だけれど、話が上手。笑いを織り交ぜながらも淀みなく話をしてくれる。同じネタを使っているのだろうとは思うけれど、私を含め皆さん話に引き込まれている。玄奘三蔵の話でも、「不東」と言いつつもつい東に行ってしまったエピソードなど、クスッと笑ってしまうようなな内容も織り交ぜてくれる。そして、「不可得」では、う~む、と考えさせられる話もしてくれる。話し方講座とかで学んだりしてるのかな?とつい余計なことを考えてしまった。

質問タイム

あっという間の15分でした。次は唐招提寺の石田僧侶。


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