2014年7月22日火曜日

奈良・国宝 室生寺の仏たち in 仙台 その1




山寺を拝観した後、室生寺の仏像たちに会いに行った。

先日、初めて室生寺を訪れたとき、ほとんどの仏像たちが出張中とのことで、一番楽しみにしていた十二神将や他の仏像を拝観することができなかった。聞いてみると、東日本大震災復興祈念特別展として仙台市博物館に出張しているという。

その話を室生寺の受付で聞いたとき、9月末には戻ってくるとのことで、また10月以降に来るしかないかな、と思っていた。ところが、境内で出会った係の女性に「寺の関係者と見に行ってきたのですが、とてもすてきでしたよ。」と言われ、奥の院で御朱印を書いてくれた男性に、「見応えのある展示でしたよ」と言われ、お寺の関係者にそこまで言わせるのであれば、と勢いで新幹線に飛び乗ってしまった。


仙台市博物館入り口

特別展のスペースの最初に鎮座していたのは釈迦如来坐像。ガラス越しに見る釈迦如来坐像は男性的な風貌でどっしりと構えている。

その他、曼荼羅や室生寺の宝物などいろいろ展示されていたが、やはり一番の感動は十一面観音立像を始めとした十二神将や薬師如来立像だ。照明を落とした広いスペースに、何のケースにも入れられずに十二神将、十一面観音立像、菩薩立像、薬師如来立像が立っている。

この展示室に入った途端、これはわざわざ仙台まで来るのに十分な価値がある、と思った。一躰一躰、間近で見ることができるだけでなく、ぐるりと背面・側面までじっくりと見ることができる。

以前、上野の国立博物館に薬師寺の日光と月光が展示された時、背中を見ることができると話題になった。その時は、ふ~ん、そうなんだ、くらいにしか思っていなかったのだが、今はその貴重さがわかる。

一番会いたかった十一面観音はさすがに見応えがあった。特にその背面まで見ることができるのが貴重だ。十一面観音の十一の顔のうち、背面の中央に一つだけ大笑いしている顔がある。「暴悪大笑面」と呼ばれるらしいのだが、室生寺の十一面観音の「暴悪大笑面」は、寺の住職でさえ写真でしか見たことがなかったらしい。

十一面観音は少し前に傾き、今にも歩き出しそうな雰囲気を持っている。こんなに間近でまじまじと見ることができるなんて、たぶん今回が最後になるだろう。

お寺で仏像を拝観するのが一番良いとは思うけれど、こうやっていつもは見ることのできない角度から拝ませてもらう機会があるのは幸せなことだとも思う。今度はぜひ室生寺の本堂で会いたい。

十二神将についてはまた後日。
十一面観音立像 
(購入したクリアファイル撮影)

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