2015年6月25日木曜日

臨地講座その2 ~西本願寺~

西本願寺は初めてです。大きく有名すぎてあまり興味がわかなかったので、なかなか足が向きませんでした。ですので、今回はいい機会でした。そうでもなければ行くことはなかったかもしれません。13時に西本願寺に再集合し、今回は西本願寺の僧侶による説明の下、阿弥陀堂から順番に拝観しました。

西本願寺の阿弥陀堂

阿弥陀堂の中は珍しく写真撮影が可能ですが、隣の御影堂は不可です。仏像が安置されている阿弥陀堂はOKなのに、親鸞聖人の像が祀られている御影堂はダメ、と言うのも不思議な感じがします。ちなみに普通「御影堂」は「みえいどう」と読むのですが、西本願寺では「ごえいどう」と読むそうです。個人的なものですが、仏像には興味があるのですが上人などの人をかたどった像は苦手です。ですので、阿弥陀堂の阿弥陀如来像には興味がわくのですが、御影堂の上人像にはまったく興味がわきません。

阿弥陀堂の外陣
阿弥陀堂の外陣
印象的だったのは、阿弥陀堂も御影堂も内側の装飾がとても色鮮やかで豪華だったことです。もちろん改修されているからこその色合いでしょうけれど、彫刻にしても柱に施された装飾にしてもとても豪華です。東寺の五重塔の中を拝観する機会があったのですが、やはり色彩は鮮やかでした。古刹と呼ばれる寺院も建築当初はとても鮮やかだったのかもしれません。そんなことを考えると、時代を経てきた古刹と呼ばれる質素な感じのお寺が好きな私はもしかしたら間違っているのかも、と思ってしまうときもあります。仏像も金箔が貼られ金色に輝いていたことでしょう。でも私はキラキラの仏像は苦手なのです。別に気にしなくても良いことなのかもしれませんが、少し考えてしまいます。

西本願寺の御影堂

阿弥陀堂、御影堂と周り、虎の間や鸛の間と呼ばれる部屋などをまわってきました。能舞台が二か所もあったりして、なかなか興味深いことは確かです。面白かったのは畳の敷き方です。昔の武士たちは袴を履き、すり足で動いていたそうです。そのすり足と同じ方向に畳の目が配置されていて、滑りやすいようになっているのです。よく考えられているなあ、と感心してしまいました。また、遠近法も利用されていて、上座に座る者が大きく見えるように工夫までされていたそうです。やはり権力者というのは見かけもとても大事にするのでしょう。

今回のメインは飛雲閣の見学のようでした。個人的にはどれほどのものなのかまったく知らなかったので、担当者から「飛雲閣の見学を楽しみにこの講座に参加された人も多いのではないでしょうか。」と言われて、少し驚いたほどです。飛雲閣なるものの存在もこのツアーに参加するまで知りませんでしたので、その場所が普段は非公開の場所であることももちろん知りませんでした。

非公開ですからもちろん写真撮影はすべて禁止です。小さな庭の真ん中に池があり、その池の真ん中にこの飛雲閣が建っています。見た瞬間に素人ながら面白い建物だな、と思いました。すべてが非対称なのです。三階建の建物ですが、正面から見て一階の左半分の上に二階部分があり、その二階部分のさらに左半分の上に三階部分があります。その三階部分は摘星楼(てきせいろう)と呼ばれていて、星に手が届くような景観が楽しめたのだろうといいます。なんともすてきなネーミングです。星を摘むことのできる場所。そこで星を眺めてみたいものです。

普段はこの飛雲閣の中に入ることは許されないようなのですが、今回はこれまた特別に中に入ることができました。ただ、あまり建物の内装についての興味がないですし、知識もほとんどない状態なので、襖に描かれた絵がすばらしいとか、茶室がどうこうとか、その価値をほとんど見いだせないままの見学になってしまいました。ちょっともったいないな、と我ながら思いましたが仕方がありません。飛雲閣の佇まいはすてきだとは思いましたが、なにせ写真撮影が一切不可なので、うまくその景観を説明することができません。機会があるのであれば、一度は見る価値はあるのではないかとは思います。


西本願寺の唐門

最後に国宝に指定されている西本願寺の唐門の見学です。これまた豪華絢爛な門です。少し日光東照宮のことを思い出してしまいました。唐門は黒や青を使っているので、東照宮よりは落ち着いた感じがしますが、やはり派手です。たまに見るのは良いのですが、個人的にはやはり落ち着いた感じの色あせた建物の方が好きなようです。

ここで僧侶によるツアーは終了です。この後は、最後の目的地である京都タワーへ向かいます。大気の状態が不安定のようで、午前中とは異なり真っ黒な雲が見え始めていましたが、特に降られることなく京都タワーに到着しました。ここももちろん初めてです。こここそ、この機会でもなければ絶対に登ることはなかったでしょう。いくら高いところが好きとはいえ、わざわざお金を払ってまで上りたいと思えるような場所ではないからです。それでも、行って良かったとは思います。京都の町は、東寺の五重塔より高い建物は建てない、という暗黙のルールがあったそうで、131mというそれほど高くはない京都タワーでも、とても遠くまで見晴らすことができます。昨日の大雨で空気もきれいだったようで、大阪のアベノハルカスまで見ることができました。

今回の臨地講座「塔と楼閣」は第1回目ということで、人気があれば二回・三回と続けたいと係の方が話していました。ぜひ参加してみたいと思いますが、あとは日程と場所でしょう。塔と楼閣ということですが、他の場所だとどのようなところが挙げられるのかまったく見当がつきません。楽しみに待ちたいと思います。

下から見上げる京都タワー
京都タワーより 遠くに清水寺の三重塔が見える
京都タワー

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