2015年6月18日木曜日

姫紫陽花ブルー ~明月院~

明月院へ続く道は、やはり多くの人々が行き交っていました。そして、警備員が出て交通が妨げられないようにしていました。時間は午後3時過ぎでしたので、明月院へ行く前に、少しカフェで休憩をしました。昨年のこの時期に初めて訪れたSissy'sというこぢんまりとした素敵なカフェです。

明月院を通り過ぎて少し歩いた先の右手にある小さなカフェです。ちょうど一年前に訪れたときに食べたルバーブパイをもう一度食べたかったのです。ルバーブは日本では馴染みのない植物ですが、アメリカではルバーブパイとして割合とポピュラーなパイの一つだと思います。そのルバーブパイを食べたくて北鎌倉まで来たと言っても過言ではありません。

一年前の訪問にも関わらず覚えていてくれたのはうれしい驚きでした。もちろん注文したのはルバーブパイ。今回はゆっくりしている間に3組ほど訪れていたので、ずいぶんと知られるようになってきたのかもしれません。あるガイドブックには大きく載っていましたので、これからもっと来店者が増えるのかもしれません。ここの一番人気はチーズケーキとのことで、ガイドブックにもそのように書かれているのですが私はまだ食べたことがありません。個人的には4月~6月限定のルバーブパイが一押しだからです。ルバーブパイは酸味のあるパイですが、アイスクリームと一緒に食べると本当に美味しいですし、私にとっては懐かしい味でもあります。繊維も豊富なので、勝手に体にもいいのでは、とも考えています。ここ以外でルバーブパイを提供している場所を知らないので、来年もまたぜひ来ることになるでしょう。10月頃にはリンゴパイもあるようです。これもまた気になります。もちろんチーズケーキも気になります。近いうちにまた鎌倉に来ることになるかもしれません。

私がいたときに来店した人たちは皆チーズケーキを注文していました。一番人気ですから仕方ないのでしょうが、個人的にはルバーブパイもぜひぜひ食べてみて欲しい。それなのに、写真を撮るのを忘れてしまいました。最初は、写真を撮るのを忘れないようにしなきゃな、とは思っていたのです。ところが運ばれてきた途端、「美味しそう!」という思いで頭がいっぱいになり、「あ、写真」と思ったときにはすでにあと一口しか残っていませんでした。残念。

一時間ほどゆっくりして、午後4時過ぎに明月院へ向かいました。普段は午後4時までなのですが、6月の紫陽花の季節は午後5時まで開いています。そんなこともあり、閉門近くの時間に行こうと思っていた訳です。

ですが、やはり人はたくさんいました。日中よりは減っていたのかもしれませんが、有名な石段の参道と丸い窓のある方丈では多くの人がカメラを片手に列を作っていました。ただ方丈の真向かいにある枯山水の石庭にはあまり興味を持っている人がいないようで、少しもったいない気もします。

方丈前の枯山水庭

昨年は6月の下旬に訪れて、すでに紫陽花の元気がなくなってきたときだったので、今年は少し早目にやってきました。その甲斐あって、紫陽花はとてもいい感じでした。不思議だったのは、石段のの参道脇の紫陽花に明月院ブルーと呼ばれる姫紫陽花だけでなく、別の色の紫陽花が増えていたことです。紫陽花の色は土壌によって変わるということですが、土壌の質が変わってきたということなのでしょうか。様々な色が咲き乱れる紫陽花も好きですが、個人的には明月院のブルー一色の紫陽花もとても気に入っています。

明月院ブルー

ただ、やはり紫陽花の写真を撮るのは難しいです。どのような構図で撮れば良いのかなかなかつかめないからです。あまり大きすぎる紫陽花ではなく、小振りの丸い紫陽花が好きで、勝手に「美人な紫陽花はないかなぁ」と考えながら歩き回っていました。アップで撮るのがいいのか、全体を撮るのがいいのかいろいろ悩みます。上と下にある写真はなかなかきれいに姫紫陽花ブルーを表しているとは思いますが、構図的にどうかと問われるとそれほど自信がある写真ではありません。心の赴くままに撮ればいいのだとは思うのですが、フィルムカメラの場合はファインダーを覗いては止める、という動作を何度も繰り返してしまいます。紫陽花はとってもとっても綺麗なのに・・・。

ブルーが鮮やかです

途中で沙羅双樹の花が飾られていました。1日しか咲くことのない沙羅双樹の花。沙羅双樹の花と言えば平家物語の序文でしょう。ところが、この沙羅双樹の花を見て、「シャクヤクが咲いているね」と写真を撮っている人がいて少しびっくりしてしまいました。個人的に平家物語の序文が好きなので、沙羅双樹の花の写真もしっかり撮ってきました。一日しか咲かない沙羅双樹の花。確かに「おごれる人の久しからず・・・」です。


途中でかわいらしいお地蔵様やウサギとカメの置物がありました。普段はあまりお地蔵様が得意ではなく、どちらかというと避けてしまうのですが、このようなかわいらしいお地蔵様であれば大丈夫です。お地蔵様は民衆に最も近い菩薩とも言われているのですが、私はどうも苦手です。これまた少々不気味に感じてしまうからです。感覚というのは不思議なのもので、様々な菩薩像がある中で、どうしても地蔵菩薩はだめなのです。下の写真のお地蔵さまはまさに現代のゆるきゃらのようなかわいいお地蔵様ですから、お寺の本堂などに安置されている地蔵菩薩とは相当雰囲気が異なります。


午後5時前には明月院を後にしました。結局閉門間際まで訪問客が途切れることはありませんでした。日中よりは少ないとはいえ、この時期はいつ行っても人が多いのでしょう。これだけ見応えのある紫陽花ですから仕方がありません。紅葉の季節もきれいなのだそうですが、その時期も人の出は多いのでしょうか。10月にはSissy’sではリンゴパイが作られるようなので、それも気になるところです。奈良よりはずっと近くて便利な鎌倉ですが、次に訪れるのはいつになるでしょうか。


川を眺めるウサギとカメ

明月院から北鎌倉へ向かう裏道に咲く真っ白な紫陽花

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