2015年5月2日土曜日

暑さと人と ~法隆寺~

久しぶりの法隆寺です。といっても、三ヶ月振りくらいでしょうか。聖林寺からバスで桜井に戻り、桜井から近鉄線で大和八木経由で筒井まで行きます。そして、筒井からバスで法隆寺前まで行きます。フリー切符を使うと近鉄線と奈良バスが乗り放題なので、この方法が一番早いようです。

到着したのが午後一時前でしたから、まさに気温はぐんぐん上がっています。予報では今日の最高気温が30℃と言っていましたから、すでに少なくともそれに近い温度にはなっているでしょう。それに法隆寺は意外と日陰が少なく、参道の照り返しもきついので、歩いているとくらくらしてきます。帽子を忘れた私が悪いのですが、さすがにきつかったです。

まだお昼を食べていなかったので、いつものお蕎麦屋さんに入りました。遅めの時間にもかかわらず、中はほとんど満席状態。たまたま空いていた二人掛けの席に案内してもらいました。顔を覚えてくれているお姉さんもいて、忙しそうにしながらもにっこり笑いながら、こんにちは、久しぶりです、と声をかけてくれました。ここでいつも頼むのが梅蕎麦です。今日は奮発して梅とろろ蕎麦にしてみました。暑いので冷たいお蕎麦と梅が体にいい感じです。

そしていよいよ法隆寺です。やはり素晴らしいです。もう何度も見ていますが、いつも見とれます。回廊がいい感じに日陰になって気持ち良い風も吹き抜けるので、柱に寄りかかりながらしばし見とれていました。回廊の柱のエンタシス、五重塔の隅鬼、金堂の登り龍と降り龍。雲肘木など、毎回見ても飽きることがありません。

法隆寺の五重塔
法隆寺の回廊
金堂にはどうやらすべての仏像が戻られているようでした。一度は毘沙門天と吉祥天が出張中でしたし、前は四天王の一人広目天が出張中でした。でも今回は全員いらっしゃいます。ここの四天王は釈迦如来や薬師如来と同じように、とても異国的な顔をしています。日本最古の四天王と言われるだけあって、他の四天王とは全く趣が異なるのです。

まず他の四天王は基本的に厳つい顔と躍動感あふれる姿をしていますが、法隆寺金堂の四天王は全く恐ろしい顔をしておらず直立不動です。邪鬼を踏んづけているというよりは、邪鬼の上に立っている、という感じです。邪鬼もコミカルというよりただ四つん這いになっているだけです。あまりにも違いすぎるのですが、広目天が持つ筆と巻物、多聞天が持つ宝塔は同じですから、やはり四天王なのです。それに、この四天王も意外と好きです。最初こそ、えっ?これが四天王?とも思ったのですが、何度か見ているうちに、これはこれでなかなかいいんじゃない、と思えるようになってきました。

やはり法隆寺の五重塔は特別です
五重塔の隅鬼
隅鬼 その2
それにしても暑いです。西伽藍から宝蔵を経て東伽藍の夢殿に向かったのですが、前述したように日陰は全くありません。頭の後頭部に日が燦々と照りつけます。夢殿では春の特別開帳が行われていて、一年ぶりに救世観音に会ってきました。こちらの観音様は何度見てもなかなか好きになれるようなお顔ではないのですが、岡倉天心やフェノロサを魅了したとのことですから、私にはわからない何かを持っているということでしょうか。

途中の宝蔵館でお目当ての仏像を確認できました。先ほどの聖林寺で、十一面観音の脇にいた多くの仏像の一つが現在は法隆寺にある国宝の地蔵菩薩である、と書いてあり、これは確認しなくては、と思っていました。宝蔵館で大きな国宝の地蔵菩薩は見つけられました。でも、これが聖林寺で書かれていた地蔵菩薩なのかどうか定かではありません。というのも、宝蔵館の仏像たちにはほとんど説明書きがないからです。でも、他に国宝の地蔵菩薩は見つからなかったので、一応これがそうであろうと勝手に納得しながら、十一面観音の脇に立っている姿を想像してみました。

暑い中、もう一度西伽藍へ戻ります。今度は正面から日差しを受けるので、暑いだけでなく眼もまともに開けられません。強い西日を受けながらがんばって歩きました。西伽藍では五重塔と金堂の正面の日陰に腰を下ろしてしばし休憩です。今回は法輪寺や法起寺へ行く元気はありませんでしたので、この後は最終目的地の京都へ向かいます。

バスで筒井駅へ向かい、近鉄線で京都です。京都はきっと奈良よりもっと人がすごいのでしょう。ゴールデンウィークの真っ只中ですから。明日、どうするかも決めていません。明日も暑そうですし、あまり人がたくさんいるところには行きたくないのですがどうでしょうか。悩みます。









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