2015年5月12日火曜日

鳥獣戯画展 ~東京国立博物館バージョン~

京都国立博物館で鳥獣戯画展をわざわざ二回も見に行ったのに、まさかの東京国立博物館での開催です。前半と後半で展示内容を変えるというのは同じです。東京には来ないものと思っていたのですが、さすがは首都です。

すでに見に行っていますから、どうしようか迷ったのですが、せっかく年間パスポートを持っているのだからと行ってきました。

今日は台風が近づいているとのことで、いつもより出足は少ないのではという淡い期待を抱いていたのですが、現実はそれほど甘くはないです。ただ、閉館直前の方が若干待ち時間は少ないようなので、午後4時少し前に到着するようにしてみました。

東京国立博物館正面
平成館へ向かいます
この判断は良かったようで、平成館への入場は10分ほどの待ち時間で済みました。長いときは入場までに90分というときもあるようですから、そういう意味でもさすがは首都です。
京都へ見に行ったときは、とにかく鳥獣戯画でも一番有名な甲巻を見る、というのが目標だったので、他の展示はほとんど見ていませんでした。ですので、今回はわざわざ説明が聞ける録音ガイドまでレンタルしての見学にしました。

結論から言うと、甲巻の見学までは結局120分待ちという膨大な待ち時間になってしまったので、諦めることにしてしまいました。さすがに120分待ちを耐えるだけの忍耐は持ち合わせていませんでした。京都で一度見ている、ということもあり、そこまで頑張る気にならなかったのです。

それでも行った甲斐はありました。今回の展示で個人的に興味深かったのは、甲巻の断簡です。甲巻から切り取られた断簡が4幅、他の巻からのものが1幅が展示されていたのですが、この断簡もなかなかのもので個人的にはこれが一番良かったです。1幅は国外の個人が所蔵しているということで、久しぶりの里帰りなのだそうです。個人で所有しているというのも驚きですが、海外ということにも驚きでした。どのような経緯でその人の手に渡ったのか気になるところです。

その断簡の1幅には、鶴、亀、アヒルなども描かれていてとても可愛らしいですし、鹿に乗っていた猿が振り落とされて、その猿をウサギや他の猿が介抱している場面など、甲巻らしい場面があり、なかなか見応えがあります。甲巻そのものを見なかった分、こちらの断簡はじっくり見させてもらいました。もちろん、この断簡にも人だかりはできていましたが、さすがに列になるほどではありませんでした。

他の高山寺にまつわる様々な至宝は、思ったより見応えがありました。仏像などの彫像が好きなので、普段は仏画などにはまったく興味がないのですが、録音ガイドを借りたお陰で、興味深く見学することができた気がします。曼陀羅や十二神将や四天王の図など、意外と興味深いものがありました。

録音ガイドを聞きながら見て回ると、やはり「なるほど」と思わされることがだくさんあります。知らなければ気付きもせずに通り過ぎてしまうような些細なことも、ガイドを聞いていると細かく確認し始めるので、なかなか面白いのです。彫像と呼ばれるものはほとんどなく、ほとんどが仏画や仏教に関係のある絵ばかりでしたので、録音ガイドがなければあっという間に見終わってしまっていたかもしれません。

一時間ほど滞在して外に出ました。やはり風が強かったですが雨は降っていませんでした。上野公園ですから、やはりここも新緑がたくさん目に飛び込んできます。昨年までの葉と色が異なるので、新緑の部分がなんとなくモフモフしているように見えて、その中にバフッと飛び込んでみたくなります。実際には硬くてチクチクするのでしょうけれど、遠目に見ると本当に柔らかそうで緑色の雲のようにも見えてきます。強風にあおられながらも、「癒される色だなぁ~」と思いながら上野公園を後にしました。

平成館前の噴水で遊ぶ鳥獣戯画の動物たち

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