2015年5月1日金曜日

石楠花と新緑と ~宇陀 室生寺 その②~

長谷寺に一時間ほどしかいなかったのは、自分でも少し驚きでした。確かに牡丹は満開でした。色とりどりの大きな牡丹はすごかったのですが、なぜか今一つなのです。人が多いというのも一つの要因にはなるでしょうが、大好きな法隆寺なども多いときは今の長谷寺と同じくらい人がいます。ですから、やはり感覚的に好きかどうかなのでしょう。

長谷寺の本堂

長谷寺の五重塔

そんなことで、さっさと室生寺に戻ることになったわけですが、室生口大野から室生寺までの道すがら、長谷寺と室生寺を結ぶ道すがら、目を引いたのは自生の藤の花です。緑鮮やかな山の斜面に、ときどき緑以外の色が目に飛び込んできます。藤色が淡いながらも緑の中で意外に目立ちます。藤棚もいいですが、自生の藤の花がまた素敵です。他の木にからみついた形で伸びていく藤の花。ぼーっとしていても、ちらっと見える藤色にハッとさせられます。

室生寺に戻ってきました。赤い太鼓橋近くの食堂で遅い昼食を取りながら、太鼓橋を渡っていく人たちをぼーっと見ていました。さずにこの時間は絶え間なく人々が太鼓橋を渡って室生寺の境内に入っていきます。

まず本堂前のベンチに座って本堂をぼーっと見ていました。すると、警備員という腕章をつけたおじさんが挨拶をしてくれました。室生寺で働く職員の方々はとても気さくな方が多く、にっこりと挨拶をしてくれる人が多いのも室生寺の魅力の一つです。

何回見ても飽きない

今まで警備員の姿を見たことがなかったので、もしかしてあの文化財に油を撒くという事件の影響ですか、と聞いてみると、そうです、と言います。室生寺は運良く被害には遭っていませんが、まだ犯人が捕まっているわけではないので、こうやって目を光らせているのだそうです。先ほどは、警備員のような制服を着た方も目にしたので聞いてみると、その人はれっきとした警察官なのだそう。大変だとは思いますが、何かあってからは遅いですから、がんばってほしいです。奥の院へは一日四往復するということですから、これまた大変です。本当にひどいことをする人がいるものです。

20分ほど話をさせていただいたでしょうか。見回りに戻ります、と本堂の方へ向かわれました。ふと五重塔を見てみると、いい感じに太陽の光が当たっています。カメラを手に五重塔まで行ってみました。今まで、この時間帯に室生寺に来たことがなかったので、この光の加減で五重塔を見るのは初めてです。

西日に照らされる五重塔

季節によって、天気によって、時間によって様々な表情を見せる室生寺。大好きな室生寺ですからいろいろな表情を見たくなるわけです。だからこれだけ頻繁に訪れてしまうのです。これからもたくさん来る気がします。夏も、紅葉の時期も、できれば雪景色も見たいですし、石楠花はまたリベンジしないといけません。桜の季節もまた訪れたいと思っています。そう考えると当分室生寺から離れられそうにはありません。

次回はいつでしょうか。






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