2014年12月7日日曜日

湖南三山 紅葉巡り 常楽寺編

湖南三山で最後に訪れたのは常楽寺。閉門まで一時間ほどということで、それほどの混雑ではなかったが、やはりそれなりに参拝客は多くいた。

塔好きにとって、入ってすぐに左の高台に三重塔が見えるのは嬉しい。普段は無住ということで解放されておらず、この紅葉の時期のみ一般公開されているという。

常楽寺の本堂と三重塔


本堂の仏像は素晴らしかった。ご本尊は秘仏なので拝観することはかなわないが、本尊の厨子の両側にずらりとならぶ仏像たちは圧巻だ。特に左右に並ぶ小振りの二十八部衆は素晴らしい。二十八部衆といえば京都の三十三間堂を思い出すが、ここ常楽寺の二十八部衆は小さいながらも迫力のある堂々とした立ち姿である。悲しいのは、その二十八部衆のうち三体が盗難にあったこと。そして未だに二体が行方不明ということだ。盗難に遭いつつも戻ってきたのは阿修羅像で、興福寺の阿修羅とはまったくことなり憤怒象の阿修羅だが、これはこれで素晴らしい。

仏像の盗難は悲しい。カンボジアでも、様々な彫刻や彫像が盗難に遭っている。無残にも削り取られた彫刻など見ていると、本当に悲しい気持ちになってくる。お寺の周りに住む人たちが大事にしてきている信仰の対象を、金目的で盗み出すということが悲しい。だからなのだろう、本堂の中には防犯カメラがはっきりと見え、リュックなどは背負わないように、という注意書きまであった。最初はずいぶんと物々しい雰囲気であまりお寺にそぐわないな、と思っていたのだが、盗難のことを知って納得した。いつか盗難にあったままの二体が戻ってくることを祈りたい。

三重塔にも行ってみる。 なかなかすっきりとした三重塔で、紅葉と重なってなかなかきれいである。三重塔の後方に遊歩道もあるので、三重塔の後姿を見ることができる。さらに少し高みからも見ることができるので、塔好きにはなかなかいい感じの遊歩道になっている。
三重塔

ぐるりと遊歩道を歩いたあと、もう一度本堂に入った。誰もおらず一人だったこともあり、厨子の両側に立つ二十八部衆を行ったり来たりしながら見比べることができた。本堂の後方には、こちらも小さな十二神将が立っており、こちらもなかなか見応えがある。小ぶりの十二神将といえば、岩船寺のかわいらしい十二神将を思い出すが、常楽寺の十二神将はサイズは同じくらいだが、かわいらしいというよりきりっとして凛々しい。

すでに閉門間際ということもあり、境内にはほとんど人がいなくなっていた。普段はこのような感じなのだろう。普段は一般公開されていないということなので、人がほとんどいないときに訪れることができないのは残念だが、また来年の紅葉の季節に機会があれば訪れたいと思った。

バス停には誰もいない。十分程待ってバスに乗り込み、石部駅に戻ってきた。石部駅から乗る電車が来るまで40分近くあったので、待合室でテレビを見たり、本を読んだりして時間を潰す。このときが今回の旅で一番待ち時間が長かった。

湖南三山。思ったより見応えがあった。特に善水寺はお気に入りに追加。新緑の頃にまた訪れてみよう。









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