2014年12月15日月曜日

天地明察 渋川春海

沖方丁の「天地明察」を読んだ。

泣いてしまった。それも何ヶ所も。もちろん感動したということなのだろうが、それよりも心にぐっとくるものがあった。

興味のある分野の和算や関孝和がからみ、算額が扱われ、とにかく単純に面白い。そして、「天に触れる」という大きな想い、人々とのつながりなど、多くの場面で感動してうるうるしてしまった。自分でもなぜこれほど泣いてしまうのか苦笑してしまうのだが、いろいろと考えさせられたのは確か。

未知の事柄に対する憧れと、それを解明してみせようという心意気。周りにいる様々な魅力的な人々。わからないことが多すぎた時代だからこそ、それを知りたいという渇望もまた強かったのかもしれない。現代に比べれば「無駄」や回り道もたくさんあったかもしれない。でもその時間をかけて無駄なことに挑戦し、回り道をたくさんするとができたからこその偉業だと思う。

すべてにおいてスピードが求められる今のような世の中であるからこそ、渋川春海のような人の一生を知ることは大事なことのような気がする。

普段は通勤途中の電車の中で読むことが多いのだが、今回は一気に読みたくて家で読んでいた。電車の中で読まなくて良かった。電車の中で一人本を読みながら泣いているなんて、さすがに恥ずかしい。

久しぶりに心をグッと掴まれる小説を読んだ。

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