2014年12月2日火曜日

湖南三山 紅葉巡り 善水寺編

初めて湖南三山に行ってきた。湖東三山が有名になり、湖南三山もその影響を受けて始まったようだが、善水寺、長寿寺、常楽寺の三つのお寺を呼ぶ。湖南三山はこの紅葉の時期にのみ公開する常楽寺など、普段はあまり訪れる人もいないようだ。まあ、湖東三山も普段はほとんど人がいないような気もするが・・・。

この湖南三山を巡るのもなかなか難しい。マイカーであれば何も問題はないのだが、とにかく公共の交通機関と歩き、と限定するとなかなか大変である。もちろんその準備をしているときも楽しいので別に嫌ではないのだが、いろいろと考えさせられる。例えば善水寺だが、最寄駅の甲西からバスに乗り、岩根というバス停から10分ほど歩いた所にあるという。しかしそのバスが一日に8~10便ほどしかない。一本を逃すと1時間から一時間半さらに待たなくてはいけなくなってしまう。さらに、長寿寺や常楽寺の最寄駅となる石部駅に行くにも、甲西からたった一駅なのに、電車も30分に一本しかない。接続や待ち時間を考慮しながら、これらの交通機関を利用するには、事前の準備が重要なのだ。


上り坂の途中にある観音堂の裏手
百済寺を訪れた後、一気に南下し、草津を経由してまずは甲西に到着した。小型のバスに乗り込み岩根に向かう。とても気さくな運転手さんに、バス停から善水寺までの道のりを教えてもらい歩き始めた。最初は民家が立ち並ぶ集落を歩いていくのだが、途中から山道になった。また階段かぁ~、と苦笑いしてしまうが、まあこんなものだろうと思っていたので、一段一段ゆっくり上っていく。人の姿がほとんど見られなかったので、さすがに湖南三山はあまり観光客はいないのかな、と思っていたのだが甘かった。

そろそろ到着する、というときに、目の前に現れたのは大きな駐車場とそこに停まっている多くの乗用車と大型バスだった。お寺の目の前にこんな駐車場があるなんて・・・、と少々がっくりするが、まあそんなものだろう。公共の交通機関を利用する観光客がほとんどいないのであって、ほとんどはマイカーを利用しているようだ。確かにあの時間と本数ではマイカーの方が圧倒的に楽だろう。この階段も上ってくる必要はない訳だし。

受付で拝観料を支払い境内に入る。奥に見える本堂を目にした途端、このお寺は好きだ、と思った。境内の雰囲気がまずいい。そして本堂の佇まいそのものがとてもすてきなのだ。屋根の反り具合もとてもきれいで優雅な感じがする。私が好きな檜皮葺の屋根でもある。



境内には多くの観光客がいたので、人を入れずに撮るのは難しかったが、十分紅葉と本堂のコラボを楽しむことはできる。まずは本堂へ。本堂内も十人以上の観光客がいるものの、それほど混んでいるという感じはない。そして何よりも、そこに安置されている仏像が素晴らしくてびっくりした。本当に滋賀県のお寺には素晴らしい仏像がたくさんあるのだなぁ、とますます感心してしまう。国宝こそないが、重要文化財の四天王や毘沙門天など、大きな仏像が堂々と立っていた。

外に出てもう一度本堂の外観を眺めてみる。真っ赤なもみじとのコントラストもすてきだが、新緑の時もきれいなのだろうな、と思う。4月から特別開帳も行われるようだし、次回来るのは新緑の時期だな、と決めた。特別開帳とはいえ、紅葉の時期ほどは人はいないのでないか、と勝手に期待もしている。美しい檜皮葺の屋根と柔らかい色合いを持つ新緑とのコラボレーションもぜひ見てみたい。

本堂で説明をしてくれた方も、受付の方もとても人当たりの良い方々で、そういう人たちに出会えるのも、そのお寺を気に入る大きなファクターになる。ここ善水寺は、お寺、仏像、職員の方々、そしてお寺全体の雰囲気がとても気に入った。

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