2014年10月1日水曜日

木津のお寺 その② ~~浄瑠璃寺~~

10時30分発のバスに乗り込むと、運転手は先ほどと同じ人だった。まだ出発時間まで数分あるからと停車しているとき、「お寺を回っているんですか?」と声をかけられた。相変わらず乗客は私しかいない。運転手も誰も乗っていないバスを運転し続けるのは、仕事とはいえ辛いだろうなぁと思う。それでも私みたいな観光客にとってはとても大事な公共の交通機関なので、廃止になることだけは避けて欲しい。
岩船寺のバスの停留所

岩船寺から浄瑠璃寺までは6分ほどとあっという間に到着した。ここは奈良からもバスで来られることもあるのか、すでに数組の観光客が訪れているようだ。

バス停から入り口まで参道らしき細い道を歩いていく。左手には土産物屋や小さな食堂もあった。
門をくぐるとまずは目の前に池が見える。そしてその右手には本堂、左手には三重塔が見える。池は現在修復中のようで、軽トラが止まっていたり、池の中央にある小さな島まで人工的な足場ができていたりして、景観としては少々残念な感じではあるが仕方がない。

本堂から三重塔を眺める

まずは本堂へ向かう。この浄瑠璃寺の本堂には九体の阿弥陀如来がずらりと並んで座っている。本堂が横に長いのはそのためだ。中央の阿弥陀如来が一番大きいのだが、その他の八体も十分な大きさだ。同じ阿弥陀如来といっても表情はすべて異なる。個人的に菩薩像や天部像の方が好きなので、如来像だと割合すんなり見て回ってしまうことが多い。

この九体の仏像を見ているとき、そういえば実家の近くに九品仏というお寺があったことを思い出す。と、浄瑠璃寺以外で同じように九体の仏像を安置しているのは世田谷区の九品仏のみである、書いてあり、ほぉ~と納得してしまった。

外に出て三重塔にも行ってみる。三重塔には薬師如来が安置されているとのことだが、毎月8日と正月三が日の天気の良い日しか開帳しないらしい。これはなかなか難しい条件だ。いつか拝観したいものだが、8日が休みの日でありかつ天気が良くなくてはいけないとなると、あまりチャンスはなさそうだ。ここの三重塔は瓦葺でなく桧皮葺で、個人的に好きな屋根だ。瓦屋根も嫌いではないしそれはそれでいいのだが、桧皮葺の方が優しい感じがして好きなのだ。
浄瑠璃寺の三重塔
 
三重塔から眺める本堂もなかなかいい感じである。お参りとしてはまず三重塔の薬師如来を拝観し、振り向いて本堂に向かって九体の阿弥陀如来を拝むのが正しいのだそうだ。

池を挟んで見る本堂(三重塔から)
 
この後は一度加茂駅へ戻る。まだバスの時間まで早かったので、近くの食堂で売っていた抹茶アイスを食べる。そこから車道が見えるのだが、ふと目を移すとちょうど反対方面に向かうバスが走っていくところだった。あのバスがまたUターンして戻ってくるのだろう。土産物屋を覗きながらバス停まで戻り待っていると、先ほど走っていったバスが戻ってきた。そしてまたまた運転手は同じ人。もしかして一日8往復をすべて一人でこなしているのだろうか。行き帰りでちょうど一時間くらいなのだが、そうすると休む時間もないし、お昼を食べる時間もないのではないか。気になったのだが、運転中に話しかけるのも悪いので、結局加茂駅まで到着してしまい聞けずじまいだった。

次はいよいよ最後の海住山寺。これが一番きつかった・・・。

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