2014年10月28日火曜日

奈良 秋の特別開帳

奈良で秋の特別開帳が行われている。特別開帳と聞くと、ついつい行きたくなってしまうのは私だけではないと思うが、今日回ったところはあまり人がいなかった。現在、奈良では正倉院展が行われているので、そちらの方が人を集めているのかもしれない。

本当は木津川周辺のお寺巡りを先にしようと思っていたのに、昨晩突然雷がなりだし雨が降ってきた。今朝も朝から雨が降り続いていたので、急遽奈良周辺のお寺巡りに変更したのだった。

ということで、まずは朝一番で興福寺へ向かう。雨は上がっていたけれど、上空は厚い雲に覆われている。興福寺の東金堂後方が四年振りに開かれるということで、まずはとにかく東金堂の後方へ向かう。開門前に到着してしまったので、一番に入ってしまった。そのお陰で担当者からずいぶん詳しい説明を聞くことができた。

東金堂の後方にはたった一体だけ他の仏像とは正反対の向きに立っている仏像がある。正了知大将立像という。入った目の前に立っているのだが、またこれがとっても凛々しいお方で、失礼ながらとっても「イケメン」である。現代のアニメにでも出てきそうなほど凛々しい。興福寺といえばあの阿修羅像で有名だが、いやいやこの正了知大将立像も魅力においては負けていないのでは(^_^)b
他にも、普段は見ることのできない十二神将の後ろ姿を間近で見ることができるのもたまらない。中には昔の彩色がとてもきれいに残っているものもあり、時間を忘れてしばし見とれてしまう。そしてなんといっても、着衣の上からもわかるほど筋肉隆々の背中は、これまた失礼だがとってもセクシー(*^-^*) 後ろ姿に惚れてしまいそうである。

知らなかったのだが、興福寺では北円堂の内部も特別公開中ということで、国宝館をみたあと行ってきた。ここはまあ普通に弥勒如来を中心に四天王や菩薩像が安置されている。うん、まあ見る価値はあっただろう。

興福寺 北円堂
北円堂の入り口

そしてこのあとバスを利用して、西大寺、海龍王寺、法華寺、不退寺、さらに大安寺を訪問してきた。

一番印象に残ったのは西大寺の愛染明王。以前訪れたとき、この愛染明王は長い間秘仏だったから、色彩も鮮やかに残っているんだよ、と言われ、ぜひお会いしたいものだと思っていた。その念願がかなったわけだが、まず最初の印象は「凛々しい!」だった。明王といえば、基本的に憤怒の形相をしていて周りを恐ろしい顔で睨み付けていると思うのだが、西大寺の愛染明王はもちろん睨み付けてはいるが、あまり憤怒という感じには見えない。これまた失礼かもしれないが、とってもかっこいい。

1メートルもない小柄な愛染明王なのだが、ここまで写真と印象が異なるものなのかと少々驚いてしまう。写真の愛染明王はどちらかというとイメージ通りのいかめしい憤怒の形相なのだが、こうやって間近で見てみるとそこまで憤怒には見えない。きりっとした目鼻立ちで、私が今まで見てきた明王たちとは一線を画しているような気がするのだがどうなのだろう。

西大寺の本堂 愛染明王はここではなくこの写真の左にある愛染堂にいらっしゃる

海龍王寺も法華寺も普段は秘仏の十一面観音像が拝観できる。個人的には海龍王寺の方が好きだろうか。海龍王寺の方がこじんまりしていて、好きな五重小塔があるので雰囲気的にも好きなのかもしれない。

海龍王寺の本堂

海龍王寺の絵馬
海龍王寺の五重小塔

仏像は基本的に写真撮影不可なので、どうしても写真はお寺の外観だけになってしまうのが残念。この辺りのお寺さんは仏像がとても魅力的なので、お寺の外観はどれも似たように見えてしまうのだ。まあ、素人だからそう見えるのだろうが。

今回、時間的にも余裕があったので大安寺にも足を伸ばしてみた。こちらも十一面観音像が特別公開中。このころから気温が一気に下がってきて、バス停から徒歩8分という大安寺まで寒さが意外ときつかった。北風も強くなり、後から聞いたところこれが木枯らし一番だったそうだ。寒いわけだ。

大安寺には十一面観音像以外にもすてきな仏像がいくつかあって、不空羂索菩薩立像、楊柳菩薩立像、四天王などが宝物殿に安置されている。最初、扉を開けた途端、ピー・ピー・ピーと警報音が鳴り始めてビビったのだが、一応大丈夫だった。誰もいない宝物殿で大丈夫なのかしら、と心配してしまうが、信頼関係で成り立つものでもあるのだろう。

大安寺の本堂 寒かった・・・

まともや一日で相当数のお寺を巡り、仏像を拝観してきたこともあり、油断するとどのお寺の仏像がどんなお顔なのか忘れてしまいそうだ。絶対に忘れないのは、興福寺東金堂後方の正了知大将立像と西大寺の愛染明王。この二体は相当インパクトがあった。もちろんとってもイケメンだからでもある。

0 件のコメント:

コメントを投稿