2015年12月6日日曜日

湖北プレミアムツアー

また日帰りでの遠出です。今回は湖北でのプレミアムツアーに参加してきました。普段はツアーが苦手なのですが、今回のツアーには、医王寺が組み込まれており、さらには高月観音の里民族資料館の学芸員が一緒にまわってくれるということで、苦手なツアーに参加してきたのです。

9時半に米原駅前に集合し、小型のバスに乗り込んで出発です。参加人数は25名程度だったてしょうか。まずは高速を経由して高月へ向かい、民族資料館とその隣にある渡岸寺の見学です。

民族資料館は小さな資料館ですが、高月の観音様たちについてわかりやすく説明してくれています。さらに今回は学芸員の方が一緒ですから、さらに詳しい説明を聞くことができました。
小さいながらも見る価値あり

次の渡岸寺ですが、国宝の十一面観音立像があることであまりにも有名で、すでに何回か訪れている場所でもあります。今回は住職の方からの説明があったので、これはなかなか興味深かったです。

十一面観音は基本的に女性的と言われることが多いようなのですが、私はなかなかそのようには思えません。女性らしい観音様もいれば、男性らしい観音様もいます。渡岸寺の十一面観音は女性的、という説明がされていました。腰のひねり具合、正面からは引き締まっているのに、左右から見るとふくよかなお腹周りになっているところなどが理由のようです。確かに女性的でもあると思うのですが、全体が醸し出す雰囲気はどちらかというと男性っぽく見えてしまいます。私の見方がおかしいのでしょうか。

渡岸寺の参道
この下に観音様を埋めて、戦火から守ったのだとか
この後はお昼になります。想古亭という古民家を改造したような場所でした。長浜に昔から伝わる郷土料理ということで、鯖寿司や大豆と琵琶湖でとれる小エビの煮物など、今まで食べたことのないような食事ばかりでした。美味しかったか、問われると少し微妙です。現代の味覚に浸りきっている私の舌にはあまり合いませんでした。残念。琵琶湖産のシジミのお吸い物はとっても美味しかったですが。

不思議な色合いでした

食後に向かったのは弘善館という場所です。以前はすぐ後ろの小高い山にあったお寺なのだそうですが、他の場所と同じように無住であり、なかなか守ることができないということで、集落に収蔵庫を作ったのだそうです。滋賀県に四躰しかないという脱括乾漆という手法を用いた十一面観音立像が、ここに安置されています。

そしていよいよ医王寺です。以前からずっと行きたかった場所でした。ただ、最寄りのバス停から田舎道を30分以上歩く必要があると聞いていて、なかなか難しいかもしれない、と思っていたのです。ですから、今回のツアーで医王寺が組み込まれていることを知ったとき、これは行くしかない、と思っていました。

小型のバスでしたので、予定よりもすぐそばまで行くことができたようです。本当に小さな集落の中にあるお堂ですが、思ったよりも立派なものでした。すでに担当者の方がいらっしゃっていて、全員が揃ったところで、厨子の扉を開けてくれました。
医王寺


すらりとした等身大の十一面観音さまです。とてもすっきりとした凛々しい顔をしていました。ここの十一面観音もどちらかというと男性的に私には見えます。イケメンの十一面観音です。石道寺の村の娘のようなかわいらしい十一面観音のことをふっと思い出しました。なぜか、いい感じのカップルに思えてしまったのです。観音様にカップルも何もないのですが、可愛さを漂わせる石道寺の十一面観音ときりりとした医王寺の十一面観音がいい感じに見えてしまったのかもしれません。

写真撮影は禁止でしたので写真を購入したのですが、残念ながら本物の良さをほとんど写し取れていませんでした。記念に購入させていただきましたが、これだけすてきな観音様なのですから、プロの方に撮ってもらえたらいいのにな、と思います。入江泰吉や土門拳であればどのように写してくれるのだろうか、とついつい考えてしまいます。

医王寺の次に向かったのは己高閣と世代閣ですが、こちらはすでに何回か訪れている場所なので、説明はきちんと聞いていましたが、あまり集中していなかった気がします。実はこの頃から、少し体調が悪くなってきているような気がしたのです。なんとなく熱っぽい感じがして、もしかして風邪の引き始めなのかもしれない、と思ってしまったため、バスの中でもなるべく目をつむっているようにしていました。

己高閣近くのお堂と紅葉
それなりにきれいでした
最後は来現寺だったでしょうか。シークレットということで、普段は一般公開していないお寺なのだそうです。珍しく聖観音でした。地域によって十一面観音が多いところと、聖観音が多いところと分かれるそうで、その地域によって信仰されてきた観音様が違うようでした。なかなか堂々とした観音さまでしたが、この頃には本当に調子が悪くなってきてしまい、あまり集中してみることができなくなってしまいました。

まあ、一番大事な医王寺の観音様を拝観できたということで十分頑張って日帰りした甲斐はありましたが、帰りの新幹線はどこでストップしたのかもわからないほど爆睡してしまっていました。








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