2015年9月25日金曜日

灌頂堂特別開帳 ~室生寺~

室生寺は特別です。自分でも不思議になってしまうほど好きになってしまっています。室生寺に行く機会に恵まれていないとき、なぜかそわそわしてしまい、次に行けるのはいつだろうか、と手帳を見ながら考えてしまう自分がいるのです。年間パスポートが欲しいくらいです。

さて、今回は灌頂堂の特別拝観ということで、ずいぶん前から訪問しようと計画していました。毎年、金堂の特別拝観は行われているのですが、灌頂堂の特別拝観は私にとっては初めてです。午前中に稲渕の棚田を満喫した後、近鉄線に揺られて室生口大野までやってきました。やはりシルバーウィークということもあるのか、室生寺へ向かうバスも満席状態でした。いつもはひっそりとしている室生寺も、シルバーウィーク、灌頂堂特別拝観ということで、拝観者の数もずいぶん多いようでした。

まずは近くの橋本屋で遅めの昼食を頂きました。今回はシメジ丼です。親子丼の鶏肉の代わりにシメジが使われている丼ぶりで、味は少し甘めです。そして、この丼ぶりにつくとろろ汁が最近のお気に入りです。アツアツのとろろ汁で、とろろ芋はもっちりとした食感に変わっていて、とっても美味しいのです。冬場に食べるとさらに体が温まりそうです。少し遅めの時間だったのですが、次から次へとお客さんが入ってきます。やはりこの時期の観光客は多いようです。

そして室生寺です。帰りのバスの時間を気にしなくて済むようにと、今回は仁王門前の納経所でご朱印を先に頂くことにしました。今回、この納経所にいらっしゃったのが網代僧侶でした。何回かお目にかかっているので、向こうも覚えてくれています。金堂か奥の院でお目にかかることが多かったので、納経所でお会いするのは初めてかもしれません。せっかくなので、「悉地院」と書いて頂きました。別の方にも書いて頂いた「悉地院」ですが、網代僧侶のものは初めてです。私ごときが言うのも何ですが、ずいぶんと柔らかいタッチになったなぁ、と思いました。そのことを伝えると、「最近、写経を前より真剣にやるようになったからですかねぇ」と笑っていました。とてもフランクに話をしてくれる方なので、ついつい長居をしてしまいそうになりますが、次の方もいらっしゃったのでお礼を言って納経所を後にしました。

百日紅が咲いていました

まずは灌頂堂へ向かいます。室生寺の本堂にあたる場所になるのでしょうか。特別拝観中ということで、いつもとはずいぶん雰囲気が違っていました。今回初めて、ご本尊の如意輪観音像の間近まで行くことができ、ゆっくりと拝観することができました。いつもは外陣から少し遠目でしか拝観することができなかったのですが、今回は初めて内陣まで入ることができたのです。また、灌頂という儀式で使われる曼荼羅も間近で見ることができました。仏教の儀式にはまったく疎い私ですが、説明文を読みながらなんとか理解しようとがんばりました。それでもまだ???のことは多いですが・・・。

灌頂堂では初めて御詠歌なるものをご朱印帳に書いて頂きました。これがまた素敵なのです。短歌ですが、それぞれのお寺の御詠歌があるようなので、御詠歌を集めるご朱印帳を用意してもいいかも、とまで思ってしまいました。最近、万葉集の短歌を読んで、しみじみといいなぁ、すてきだなぁ、と思っている私ですから、御詠歌に魅せられてしまうのも必然のことなのかもしれません。

さて、いよいよ奥の院です。今回、まったくの偶然だったのですが、毎月21日に行われる奥の院の特別開帳ともぶつかっていました。これはとってもラッキーです。毎月21日に特別開帳が行われていることすら恥ずかしながら把握していませんでしたから、今回は本当にただただラッキーだったのです。20日に訪問しようかとも思っていましたから、21日にして本当に良かったです。ただ、午前11時頃に行われる法要には間に合わず、これはまた次回の機会を待つしかありませんでした。

いつも息を切らしながら上る階段ですが、今回もゆっくりゆっくり上ります。別に急ぐ旅でもありません。あまり息が上がらない程度にゆっくり上りました。人も多いのですが、あまり気にすることなく登ります。そして、上りきった後は、まずは常燈堂とよばれるお堂の脇にあるベンチに腰かけて息を整えます。そして、奥の院の納経所で奥の院のご朱印を頂く、というのが最近の流れになっています。

奥の院

今回、奥の院の納経所にいらっしゃったのは、堀本さんと山岡僧侶でした。堀本さんは何度かお目にかかっていて、お話もさせていただいているので顔見知りと言わせていただいてもいいかもしれません。今回、山岡僧侶とは初めてでしたが、この山岡僧侶が室生寺のfacebookやHPを担当しているとのことで、そのことでも話が盛り上がってしまいました。とても手作り感のあるfacebookというか、専門の方がいらっしゃるわけではないので、更新もそれほど頻繁ではありません。そんなこともあり、お二人に「申し訳ありません・・・」と笑いながら頭を下げられてしまいました。山岡僧侶もとても気さくな感じの方で、堀本さんと一緒にいろいろと話をさせていただきました。今回は参拝客が多くてゆっくり話をすることが叶いませんでしたが、年末年始の情報などを聞けたり、紅葉シーズンの話などを聞けたので良かったです。

奥の院での特別開帳も忘れてはなりません。今回初めて奥の院の御影堂で空海の像を拝観することができました。短時間ではありましたが、堀本さんがわざわざ出てきてくれて、この像は空海が42歳のときの像だと言われていること、高野山まで行くことのできない人たちが訪れる場所でもあること、厄除け大師とも言われていることなどを説明してくれました。ご朱印を頂く方が列を作り始めて、またすぐに納経所に戻られてしまいましたが、わざわざ説明をしていただいて嬉しい限りです。

30分ほど奥の院でゆっくりした後、山岡僧侶、堀本さんに挨拶をして、本堂へ下ることにしました。そして金堂へ向かいます。ここもやはりシルバーウィークということもあるのか、ずいぶんと拝観者がいました。静かなときは独り占め状態になるときもあるのですが、さすがに今回はなかなかゆっくりと拝観することは難しかったです。

五重塔近くにある石仏 十一面観音でしょうか
最後に金堂のすぐ脇にある弥勒堂へ向かいます。ここには釈迦如来座像がいらっしゃるわけで、やはりここも外すことはできません。係の方がいる小さな部屋をちらりと見てみると、チケットファイルが販売されていることに初めて気付きました。この弥勒堂に座す弥勒菩薩と釈迦如来坐像の写真が載っているファイルです。値段も200円ということで、ついつい買ってしまいました。すでに自宅には様々なお寺や仏像のA4クリアファイル、A5クリアファイル、チケットファイルなどがあるのですが、好きな図柄や写真が載っているとついつい買ってしまうのです。

そのとき、係りの方に「室生寺は何回くらい来ているのですか?」と聞かれたので、「5,6回でしょうか。」と答えると、「前回、とてもゆっくり拝観されていましたよね。なんとなく覚えています。」とおっしゃって頂きました。確かに8月に訪れたときは3時間ほど室生寺にいました。今回も3時間近く室生寺でゆっくりしていました。「室生寺のどこが好きなのですか?」と聞かれたので、「すべてが好きなのですが、その中でも佇まいが好きです。」と答えると、「よくわかります。」とにっこり。話を聞くと、この年配の係の男性は、定年退職したらお寺で働きたいと考えていて、たまたまここ室生寺での職を紹介してもらったのだとか。そして、秋田からわざわざ来られたのだと言います。それも奥様を残して、と笑っていました。お名前は聞きそびれてしまいましたが、またどこかでお会いすることがあるでしょう。

帰りに仁王門近くの納経所を覗いてみると、網代僧侶がおり、特にご朱印を書いているようでもなかったので、帰りの挨拶と思い声をかけました。11月の紅葉の時期にまた来ます、と伝えると、その時期に行われるスペシャル・イベントについていろいろと教えてくれました。ただ、日程的に参加するのは難しいので、残念ながらどのイベントにも参加はできなさそうでした。「今回はうまし夏めぐりもあったんですよ。」とも言われました。もちろん知ってはいたのですが、夏の企画は「僧侶とランチ」というもので、私にとっては少々苦手なシチュエーションです。緊張して何を食べたのかもわからなくなりそうだからです。そう伝えると、「たわいもない話で盛り上がってましたよ。」と言います。まあ、そうなのでしょうけれど、私には見学をしながら説明をしていただいた方が楽なのです。ですので、もしかしたらまた「うまし冬めぐり」には参加するかもしれません。そんな話をしていると、ご朱印を頂きに来た方が見えたので、網代僧侶に挨拶をして室生寺を後にしました。

そして最後はヨモギ入り回転焼きです。一個90円という安さと、もっちりとした美味しい回転焼きで、最近は室生寺に行くたびに買って食べています。が、写真を撮ったのは今回が初めてです。ついついすぐに食べてしまうので、写真を撮るのを忘れてしまっていたからです。

次は11月の紅葉の季節です。




ヨモギ入り回転焼き 美味!

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