2015年8月7日金曜日

高月観音巡り⑦ ~高月観音の里歴史民族資料館~

高月観音の里歴史民族資料館へ向かいます。駅から徒歩5、6分の場所にあり、あの有名な渡岸寺のすぐ近くにあります。以前からその存在は知っていたのですが、なかなか訪れる機会がなかった場所でもあります。

今まで気付かなかったのですが、渡岸寺の近くにも渡岸寺の野神さんがありました。こちらもまた大きなご神木です。なかなかの迫力があって、ついついシャッターを切ってしまいました。暑い暑い一日ですが、この木陰に来るとやはりほっとします。


渡岸寺の野神さん

歴史民俗資料館は一階と二階の小さなスペースしかありませんが、置いてある仏像はなかなか見応えがありました。特に一階のスペースにはほとんど原型をとどめていない仏像も何体か置いてあり、戦火の激しさを今に伝えています。そのような原型をほとんどとどめていない仏像さえも大事にお世話をしていたというのですから、この地方の人々の信仰心には頭が下がります。彼らの信仰心がなければ、多くの仏像がこの世から消えていたことでしょう。土に埋め、川底に隠しながら大事な観音さまたちを守り抜いた彼らに頭が下がります。そのような話を聞くたびに、信仰とは一体何なのだろうか、と考えてしまいます。人々に愛され大切にされてきた湖北の仏像たちだからこそ、今でも見る人を魅了し続けているのかもしれません。

充実した、そしてとても良い一日を過ごさせてもらいました。

歴史民俗資料館

2015年8月6日木曜日

高月観音巡り⑥ ~高月観音堂~

高月観音堂はなかなか立派なおどうを持つお寺ですが、やはり無住なのだそうで集落の方々がお世話をしています。ここは事前に連絡をしていなかったのですが、朝、高月観光案内所に寄ったときにたまたま世話係の方がいらっしゃって、今日は明日の準備でずっと開けておくから16時までだったらいつでもおいで、と言って下さっていたのでした。

浄光寺から歩いて数分のところにありますが、今まで訪れてきたお堂と比べるとずいぶん立派です。また、ちょうど団体さんが来ていて、お堂の中は人でいっぱいでした。ここまで来ればバスの時間や次の約束を気にしなくてもいいので、じっくり待ちます。

割合と広い境内を持つ高月観音堂
高月観音堂の野神さん
高月観音堂のお堂
ここ高月観音堂の千手観音様はポスターでもよく見かける割と有名な観音様のようです。が、拝観して驚きました。ポスターの雰囲気と全く違うのです。本物の方がずっと優しい顔をしているのです。正直に言うと、ポスターなどで見る高月観音様はあまり魅力的に感じていませんでした。ところが直に見てみるとなんと優しくて素敵な顔をしていることか。同じ観音様なのだろうか、と一瞬疑ってしまいそうなほどです。今までも、実際の方が魅力的だった、という経験は何度かしていますが、今回もでした。

厨子もその周りも立派です
ポスターよりもずっとやさしく見えます
様々な角度から拝観できます
右側からも
先ほどの世話役の方もいて、良く来たね、ゆっくり見ていってや、とニコニコしながら言ってくれました。先ほどの団体さんが去っていった後は私だけが残り、静かに参拝することができました。ただ、また次の団体さんの予約が入っていたようで、10分後には「次、来たで」という声が聞こえ、団体のツアーガイドらしき人が受付にやってきました。そして、後ろから20人ほどの参拝者たちがやってきました。すでにじっくり拝観させてもらっていましたので、世話役の方にお礼を言って外に出ます。祭の前日をうまく利用して、多くの団体ツアーが組まれているようです。

毘沙門天もなかなか立派

お堂の中の様子
このあと、時間に余裕があったので、高月観光案内所で少し遅めのお昼を取った後、高月観音の里歴史民族資料館へ行ってきました。まあ、お昼とはいっても近くには手頃に入れるような食堂やレストランはありません。観光案内所にカップラーメンやパンが販売されているような状況です。こんなこともあろうかと買っておいたパンで遅めの昼食としました。

赤いのぼりが目立ちます

2015年8月5日水曜日

高月観音巡り⑤ ~浄光寺~

後半は高月駅の東側に移動しました。赤分寺がある東高田の集落から、また高月観音号に乗って浄光寺のある落川へ移動します。バスを降りてからキョロキョロしてしまいましたが、やはり赤いのぼりが目印になります。

浄光寺もとても小さなお堂で、ちょうど係りの方がお堂から出てくるところでした。タイミングがよくてちょっとほっとします。

神社の境内内にお堂があります
浄光寺の説明書き
浄光寺のお堂

ここの観音様は、説明の仕方が下手なのですが、どこか少しとぼけたような感じの観音様でした。近所のおじさんのような親しみやすいというか、なんともかわいらしい観音様です。寸胴なのも可愛らしさを強調していますし、お髭もなんとなく滑稽というかなんというか。誤解して欲しくないのですが、まったく悪い意味ではありません。本当に近所にいるおじさんのような観音様なのです。美しいとは言えませんし、威厳があるようにも見えないのですが、意外と気に入ってしまいました。

威厳をあまり感じませんが・・・

近所のおじさん?

係りの方はここも輪番制のようで、なんの知識もないのにやってるから大変なんだよ、と苦笑されていました。電話がかかってくるとびくびくしちゃうんだよね、とまで言っていましたから、いろいろと気苦労も多いのでしょう。特にこのようなどちらというとマイナーな仏像をわそわざ見にくるような人たちがほとんどでしょうから、質問もマニアックなものが多いのかもしれません。それでも私からすれば拝観が許されるだけでも嬉しいことですから、これからもがんばって欲しいものです。

このあとは、すぐ近くにある高月観音堂へ向かいます。





2015年8月4日火曜日

高月観音巡り④ ~赤分寺~

前半最後は赤分寺です。磯野寺から少し距離があり、途中で方向がわからなくなってしまい、近くにいた地元のおじさんに聞いてみたのですが、赤分寺という名前は知らないようでした。赤後寺かと思われたようなので、赤い分の寺です、と伝えると、集落の名前を聞かれてしまいました。さすがにそれは覚えていなかったので、急いでリュックから地図を取り出して確認しました。どうやら東高田という地名のようで、それを伝えるとすぐにわかってくれて、丁寧に教えてくれました。やはり地元の人たちは集落の名前は知っていてもお寺の名前までは知らないようです。マニアックすぎますね。

まっすぐに伸びる道
辺りは一面の田んぼです
集落の入り口

田んぼの中をまっすぐに伸びる道をてくてくと歩き、教えてもらった白いガードレールのある道を左に曲がります。すると、観音の里 ふるさとまつり、と書かれた赤いのぼりがいくつか立っているのが見えてきました。やはりここにも大きな木が生えています。後で知ったのですが、この地域には野神(のがみ)さんと呼ばれる御神木が多くのお堂にあるようです。赤分寺の野神さんはハナカエデという大きな木でした。

ハナカエデはカエデの一種なのだそうですが、珍しい種類のようで春先には真っ赤な小さな花をたくさん付けるのだそうです。ぜひ見てみたいものですが、花の開花日数は2~3日と短いようで、タイミングを合わせるのは難しそうです。

野神さんのハナカエデ

この赤分寺には団体の方々が見えていて、ちょうど説明を聞いているところでした。団体が来ているということで、係りの方も数人いらっしゃって、お茶のサービスもされていました。私は時間に余裕があったので、団体が去っていくのを辛抱強く待ちます。

お堂の入り口
団体さんがいらっしゃっていました
世話役の方が説明中

ここのお堂には、中央にご本尊の十一面観音立像、左手に弁財天、右手に地蔵菩薩半跏像がいらっしゃいました。ご本尊の十一面観音立像はこれまた特徴的な顔をされていました。瞼がなんとなく半分閉じているような、人々を見下ろしているような、そんな表情をしています。個人的な好みの顔ではありませんが、記憶に残る顔をしています。なんとなく、「何が望みですか? 一応聞いておいてあげましょうねぇ、どうぞ言ってごらんなさい。」と言われているようにも感じるのです。ちょっと上から目線的な感じでしょうか。なかなかうまく説明でいないのがもどかしいのですが。

十一面観音立像

地蔵菩薩半跏像も興味深かったです。普段、地蔵菩薩はあまり得意ではないのですが、ここの地蔵菩薩は身に着けている袈裟というのでしょうか、とても色鮮やかで装飾も細かく、つい見惚れてしまうほどでした。これだけ綺麗に残っているということはまずあり得ないので、後世に色づけされたのかもしれませんが、あまりけばけばしくなく落ち着いた色合いで悪くありません。

地蔵菩薩半跏像
ここで高月観音号に連絡を入れます。30分前に連絡をすれば大丈夫なので、12:30に東高田の停留所に来てもらえるようにお願いしました。この後はそのまま高月駅の東側にまわって、落川という集落にある浄光寺へ向かいます。

弁財天
別の角度から



2015年8月3日月曜日

高月観音巡り③ ~磯野寺~

普門寺の次は磯野寺です。普門寺のある丘を下って川を渡り、割と大きな道路に沿って歩いていきます。それなりの幹線道路のように見えますが、きちんと歩道が整備されているので助かります。街路樹も植わっているので、時々日陰になったりして、厳しい日差しを遮ってくれます。またもやポカリを飲みながら磯野寺を目指します。

磯野城跡?

やはり歩いて15分程でしょうか。磯野寺への矢印が書かれた標識を見つけたのですが、その矢印が指しているのがまるで田んぼの畦道のような細い道なのです。個人宅に入っていってしまうようでちょっとドキドキしてしまいましたが、その先にはアスファルトの道があり、少しホッとしました。どうやら、標識の先の道を右に行っても良かったようです。

手前の畦道を歩いてしまいました

磯野寺も小さなお堂ですが、普門寺と同じように大きな木に囲まれています。普門寺でも思ったことですが、これらのお堂を見ていると、「鎮守の森」という言葉が頭に浮かびます。大きな御神木に守られたお堂で、集落の中の小さな森の中に建っている感じです。

お堂が見えてきます
お堂前に十一面観音の石柱が
ここでも、係のおじさんがちょうど扉を開けてくれているところでした。まだ明日の準備が始まっていないから片付けられていないけど、と言いながら、厨子の扉を開けてくれました。こちらも十一面観音菩薩ですが、少し下膨れの少年のような面もちの観音様です。

このお堂の真向かいには昔、沼があり、蓮の花が咲いていたそうです。それが田んぼになり、今はそれもつぶされて空き地のようになっています。御詠歌にも蓮の花が歌われているとのことで、観音まつりのためにわざわざ蓮の花を用意するのだとか。いろいろと大変ですね、と言うと、そうなんだよねぇと笑っていました。こちらも老人会の方々が担当されているそうです。

こちらのお堂は中に上がることができるので、中に入らせてもらい、説明テープを聞かせていただきました。わざわざ扇風機もつけていただき、静かにテープを聞かせていただきました。

厨子もなかなか立派です
しもぶくれの十一面観音

お堂の全体像

2015年8月2日日曜日

高月観音巡り② ~普門寺~

西野薬師堂を出て普門寺へ向かいます。地図で何度も確認しましたし、西野薬師堂へ向かう高月観音号から普門寺と書かれた標識も見つけていたので、それほど心配はしていませんでしたが、暑さはやはり厳しいものがありました。

西野薬師堂を出ると、民家はそれなりに建ってはいますが、歩いている人は誰もいません。薬師堂の女性が言っていましたが、西野の集落には自動販売機が一台もないのだとか。もちろんコンビニもありません。ポカリを1リットル用意しておいて良かったです。こんな所で倒れても、まず誰も気付いてくれないでしょうから。

でも、この辺りの雰囲気はとても好きです。田んぼが広がり、小高い山々に囲まれているこの景観はとても気持ちが良いのです。暑さは厳しいですが、都会とは異なる優しい風が吹くのです。そして、普門寺は思っていたより近かったのです。普門寺の近くにはヤンマーの工場があり、それが目印にもなります。

道路脇にわかりやすい標識が
左側の坂を上がっていきます
坂を上がっていくとお堂が見えてきます
そのヤンマーの工場の裏に小高い丘があります。普門寺と書かれた小さな標識がその丘を指しているようなので、坂を登っていくと小さな祠が見えてきました。そこに、年配のおじさんがちょうど扉を開けているところでした。声をかけてみると、「連絡してくれた人?」と聞かれたので、「はい、そうです」と答えます。どうぞ、と小さなお堂の中を指さしてくれました。

小さなお堂がぽつんと・・・
本当に小さなお堂で、中に入ることはできません。外から見ると、中に右に聖観音菩薩が立ち、左に薬師如来が座しています。聖観音菩薩は小さな仏像なのですが、どこか惹かれるものがあります。あまり近くに寄ることができないのですが、とても精巧に作られているのがわかります。

係のおじさんによると、この集落には13家族しかいないそうで、その中の老人会のメンバーが輪番制でこのお堂を守っているのだそうです。明日からのまつりのために、このあとメンバー全員で準備をするのだそうです。あまり長居しても申し訳ないので、ご朱印を頂いて普門寺を後にしました。

薬師如来と聖観音菩薩



こんもりとした丘の上にありました

2015年8月1日土曜日

高月観音巡り① ~西野薬師堂~

毎年、8月の第1日曜日に高月観音まつりが開かれていることを知ったのは、割合と最近のことでした。湖北にはそれぞれの集落に、集落の人々に守られた小さなお堂とその中に安置された仏像があります。高月には25のお堂があるのだそうです。そのほとんどすべてが無住のため、集落の人々が輪番制で担当しながら守っているのだそうです。ですから拝観させていただくためには事前連絡が必要になります。

高月観音まつりの日は、高月駅の東側を巡るツアーに申し込んでいたので、前日には西側のお堂を回ろうと考えていました。ところが、 場所に寄っては、この高月観音まつりのときしか開帳しないお堂もありとのことで、考えていたお堂の約半分は2日のみと断られてしまいました。残念ですが仕方がありません。

周り方ですが、もちろん公共の交通機関と自らの足のみです。幸いにも高月には高月観音号というオンデマンドバスが走っています。もちろん1時間から2時間に一本という本数ですが、駅から4キロ近くも離れているところへ、この暑さの中歩いていく気力はありません。まずは高月観音号に乗って西野へ向かいます。

道路の途中に標識が

西野にある西野薬師堂、歩いて普門寺、磯野寺、赤分寺と回る予定です。西野薬師堂は以前にも訪れたことがあったのですが、今回、時間の調整も兼ねてもう一度訪れることにしました。
西野のバス停の目の前に西野薬師堂はあります。到着するとすでにお堂は開いていて、係の女性が待っていてくれていました。こちらの都合でこの日の朝に連絡したのですが、快く開けてくれました。

薬師堂入り口
薬師堂のお堂
お堂に上がると、目の前のカーテンを開けてくれます。するとそこに十一面観音と薬師如来の姿が現れます。ニ躰ともどっしりとした風格を持ち、似たような面もちをしています。係の女性は、「説明ができなくてごめんなさいね。説明のテープを流しますね。」と数分間のテープを流してくれました。
今回初めて係を担当することになって、何もわからないので大変です、と笑いながら話してくれました。遠くからわざわざ見に来てくれる方もいるのだけれど、彼らの方がずっとよく知っているんですよね、と言います。でもきっとそんなものではないでしょうか。私も自分の地元のことよりこほくや奈良の知識の方がずっとあります。地元のことについて質問されても答えられないと思いますから。

十一面観音と薬師如来の両側には十二神将のうちの2躰だけが残されています。こちらの2躰はとてもユニークな顔をしていて、とても個性豊かな表情をしています。目がぎょろりと見開き相手を威嚇しているのですが、どこかユーモラスにも見えます。十二躰すべてが揃っていたらさぞかし壮観だっただろうなぁ、と思ってしまいます。戦火の中、村の人々に守られて今日に至っているこれらの仏像を見ていると、いろいろと考えさせられます。

20分ほど話をしていたでしょうか。そろそろ次のお堂に向かう時間になったので、丁寧にお礼を言って、西野薬師堂を後にしました。これから10分ほど炎天下の中を歩くことになります。西野薬師堂を出たところで次の訪問先である普門寺さんに電話を入れました。まずはポカリを飲み、普門寺に向かって歩き出します。